「スワップスプレッド」とは
同じ年限で比べた、金利スワップの固定金利(スワップレート)と国債利回りの差のことです。スワップレートから国債利回りを引いて計算します。
📌 投資判断のポイント
同じ年限の金利スワップの固定金利と国債利回りの差。銀行の信用力や国債の需給を映し、マイナスになることもある。国債の増発や規制の変化で動くため、債券市場の歪みを読む手がかりになる。
スワップスプレッドはどういう仕組み?
金利スワップは、固定金利と変動金利を交換する取引です。このとき固定金利側に付く水準をスワップレートと呼びます。変動金利側は銀行間の短期金利や、米国ではSOFRのような担保付きの翌日物金利が基準になります。
国債は政府が発行するため、信用力の面では最も安全な資産とみなされます。一方でスワップは銀行どうしの取引で、相手の信用力や取引の担保の扱いが金利に反映されます。このため、以前はスワップレートのほうが国債利回りより高く、スワップスプレッドはプラスになるのが普通でした。
ところが実際には、国債の需給が大きく影響します。国債が大量に発行されると国債の利回りが上がり、スワップスプレッドは縮小、場合によってはマイナスになります。米国では2008年の金融危機のあと、30年の年限でスワップスプレッドがマイナスになる状態が続きました。銀行の自己資本規制が強まり、国債を抱える余力が細ったことも理由とされています。
日本でも、日本銀行が大量の国債を買い入れていた時期には国債が品薄になり、国債利回りが低く抑えられた分だけスワップスプレッドが広がりやすくなりました。反対に、日銀が買入れを減らして市場に出回る国債が増えると、国債利回りが上がってスワップスプレッドは縮みやすくなります。
スワップスプレッドの具体例と注意点は?
10年のスワップレートが1.80%、10年国債の利回りが1.50%なら、スワップスプレッドは0.30%(30ベーシスポイント)です。国債利回りが1.90%まで上がれば、スワップスプレッドは−0.10%になります。
日本の国債利回りは財務省が年限別に毎日公表しています。
出典: 財務省「国債金利情報」
クレジットスプレッドとの違い
クレジットスプレッドは、社債と国債の利回りの差で、社債を発行した企業の信用力を映します。スワップスプレッドは特定の企業ではなく、銀行間の信用や国債そのものの需給を映す点が違います。社債の割高・割安を判断するとき、国債ではなくスワップレートを基準に差を測ることもあり、その差はアセットスワップスプレッドと呼ばれます。
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