「受益者連続型信託」とは
最初の受益者が亡くなったら次の人、その人が亡くなったらさらに次の人へと、信託財産から利益を受ける権利を順に引き継がせる定めを置いた信託。遺言では決められない「二代先、三代先の承継」を指定できる点に特徴がある。
📌 投資判断のポイント
受益者が亡くなるたびに次の受益者へ権利を引き継がせる信託。遺言では決められない二代先以降の承継先を指定できるが、30年ルールによる期間の上限がある。
受益者連続型信託はどういう仕組み?
たとえば「自宅を信託し、まず自分、自分の死後は妻、妻の死後は長男を受益者とする」と定めておく。遺言で指定できるのは自分の財産を誰に渡すかまでで、妻が相続した後の行き先は妻の遺言に委ねられる。受益者連続型信託を使えば、妻の死後の承継先まで最初の委託者が決めておける。
ただし期間には上限がある。信託法第91条により、信託がされた時から30年を経過した後に新たに受益権を取得した受益者が死亡するか、受益権が消滅するまでで効力が終わる。30年を過ぎた後の受益権の移転は一度しか認められない。
受益者連続型信託の具体例と注意点は?
相続税では、受益者が替わるたびに、新しい受益者が前の受益者から遺贈を受けたものとして課税される。受益権に「本人の死亡で消える」といった制約が付いていても、その制約はないものとして財産を評価する。先の代まで指定しても、各段階で相続税の負担が生じる点に変わりはない。
また、遺留分を持つ相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性がある。委託者が亡くなった時点で、他の相続人の取り分が遺留分を下回らないかを確認しておく必要がある。
遺言信託との違い
「遺言信託」は、信託銀行が遺言書の作成・保管・執行を引き受けるサービスの名称として使われることが多い。受益者連続型信託は、財産の承継順を信託契約で定める法的なしくみであり、目的も手段も異なる。
信託を設定するには委託者と受託者の間で信託契約を結ぶのが一般的で、受託者には家族や、免許を持つ信託会社がなる。家族が受託者になる場合でも、信託財産は受託者自身の財産と分けて管理しなければならない。不動産を信託すると登記簿に信託の登記がされ、名義は受託者に移る。委託者が認知症になった後も受託者が契約に沿って財産を管理・処分できるため、成年後見制度を使わずに済む場面もある。
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