「ステップアップ債」とは
発行したときに決めておいた日程に沿って、利率(クーポン)が段階的に上がっていく債券のことです。利率が下がっていくものはステップダウン債と呼ばれます。
📌 投資判断のポイント
発行時に決めた日程で、利率が段階的に上がっていく債券。発行体が途中で償還できる条項が付くことが多く、高い利率の期間まで持てるとは限らない。平均の利率と償還の条件をあわせて確かめる。
ステップアップ債はどういう仕組み?
普通の固定利付債は、償還まで同じ利率が続きます。ステップアップ債は、たとえば最初の2年は年1.0%、次の2年は年1.5%、最後の年は年2.5%というように、利率が上がる日程があらかじめ決まっています。上がる回数は1回だけのものもあれば、毎年上がるものもあります。
多くのステップアップ債には、発行体が償還日より前に額面で償還できる期限前償還条項(コール条項)が付いています。発行体から見ると、市場金利が思ったほど上がらなければ、高い利率を払う前に償還して、より低い金利で借り直すほうが得になります。つまり、高い利率の期間まで持てるかどうかは発行体の判断に委ねられています。
政府統計の総合窓口(e-Stat)の日英統計用語集にも、金融統計の用語としてステップアップ債・ステップダウン債が収録されています。
ステップアップ債の具体例と注意点は?
5年のステップアップ債で、利率が1年目から順に年1.0%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%だとします。5年持てば平均は年1.6%です。ところが2年目の終わりに償還されると、受け取れた利率は年1.0%だけになります。宣伝では最後の年の2.5%が目立ちますが、判断に使うべきなのは、償還された場合も含めた平均の利率です。
発行体が期限前償還をするかどうかは、利率が上がる直前の市場金利しだいです。市場金利が次の利率より低ければ償還され、高ければ残ります。投資家から見ると、金利が下がった局面では手放させられ、金利が上がった局面では相対的に低い利率のまま持ち続けることになりやすい、不利な非対称性がある点を押さえておく必要があります。
変動利付債との違い
変動利付債は、市場金利に連動して利率が上下します。ステップアップ債の利率は日程で決まっており、市場金利とは連動しません。市場金利がステップアップの幅より速く上がれば、ステップアップ債の価格は下がります。途中で売却すると、額面を下回る価格になることもあります。
関連用語
コーラブル債は発行体が満期前に買い戻せる権利を持つ債券。通常債より利回りが高い一方、金利低下局面でコールされやすく、高利回りが享受できなくなるリスクがある。
couponは債券保有中に受け取る定期的な利息。bond-yieldとは違い、発行時に決まる約束の利率であり、債券の実際の利回りや安全性そのものを示す数字ではない。
発行体の都合で満期前に元本が返ってくる仕組みで、金利低下局面ほど起こりやすい。戻った資金を低い利回りで再投資せざるを得ない点が投資家の負担になる。
利率が指標金利に連動して定期的に見直される債券。金利上昇時に価格が下がりにくい一方、金利低下時は受け取る利息も減る。
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