「社会会計」とは
社会会計とは、会社の活動が働く人、地域、環境など社会に与える影響を、お金の数字だけでなく様々な指標で測り、報告しようとする考え方です。会社の決算書が株主や銀行に向けたものなのに対し、社会会計はより広い人たちに向けた情報を扱います。
📌 投資判断のポイント
会社の活動が働く人や地域、環境に与える影響を、お金以外の指標も使って測り報告する考え方。国全体の経済を記録する国民経済計算を指す場合もある。
社会会計はどういう仕組み?
決算書は売上や利益、財産といったお金で表せる情報が中心です。しかし、会社の活動には、雇用を生む、地域に寄付をする、二酸化炭素を出す、といったお金だけでは測りにくい面があります。社会会計では、こうした面を従業員の離職率、事故の件数、温室効果ガスの排出量、地域への支出額などの指標で示します。英国スコットランドの高校の会計の上級課程では、会社の成績を測る「お金以外の指標」の例として、社会会計や環境・倫理の問題が挙げられています。今日の統合報告書やサステナビリティ報告書は、この流れの延長にあると言えます。
社会会計の具体例と注意点は?
例えば、利益が同じ1億円の2つの会社があっても、一方は離職率が5%で事故がゼロ、もう一方は離職率が25%で事故が年3件だとすれば、会社の持続力についての見方は変わってきます。ただし、社会会計の指標は会社が自分で選んで出すことが多く、都合のよい数字だけを並べる心配もあります。指標の定義や、前の年からの変化、他社との比べ方まで確かめることが大切です。
国民経済計算との違い
経済学では、国全体の生産や所得を記録する国民経済計算(GDPなどを計算する仕組み)を「社会会計」と呼ぶこともあります。同じ言葉でも、会社の社会的な影響を報告する意味とはまったく別物です。文脈によってどちらの意味かを見分ける必要があります。
読み手として確かめたいこと
会社が出す社会や環境の指標を読むときは、三つの点を確かめるとよいでしょう。一つ目は、その指標がどの範囲(本社だけか、グループ全体か)を対象にしているかです。二つ目は、毎年同じ定義で測っているかどうかで、定義が変わると数字の増減を比べられません。三つ目は、外部の第三者による確認(保証)を受けているかどうかです。数字の大きさより、継続して同じ物差しで測っているかが信頼性を左右します。数字だけでなく、その数字の背景を説明する文章が添えられているかも、読み手にとって大切な手がかりになります。
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金額で表せない会社の判断材料で、経営方針・事業リスク・人材・環境・ガバナンスなどを含む。日本では2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の記載欄が新設された。
財務情報と、戦略や人材、環境、ガバナンスなどの非財務情報をまとめて、長期の価値創造を説明する任意の報告書。実績の数字と照らし合わせて読むのが基本
環境・社会・企業統治への取り組みと結果をまとめた任意の報告書。排出量や人権、多様性などのデータは集計範囲と基準年を確かめて読む。
株主・債権者・従業員・顧客・取引先・地域社会など、会社と影響を与え合う関係者の総称。立場によって決算書で見る場所と問いが変わるため、読む前に自分の立場を決めると指標を絞りやすい。
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