「定時償還」とは
債券の発行後、満期を待たずに、あらかじめ決めた時期ごとに決めた額ずつ元本を返していく償還方法。満期に全額をまとめて返す満期一括償還と対になる。
📌 投資判断のポイント
満期を待たずに、決めた時期ごとに決めた額ずつ元本を返す債券の償還方法。抽選で償還される場合は予定より早く元本が戻り、再投資リスクを負う。
定時償還はどういう仕組み?
発行時の条件で、たとえば「据置期間3年のあと、毎年発行額の10%ずつ償還する」といった返済の予定が決められる。どの投資家の債券が償還されるかは、抽選で決める方法や、発行体が市場から買い入れて消却する方法がある。発行体にとっては返済の負担が平準化され、満期に一度に多額の資金を用意する必要がなくなる。地方債や一部の社債、財投機関債などで使われてきた。
抽選で償還される債券を持っていると、当選した分だけが額面で償還され、残りは引き続き保有することになる。市場価格が額面を上回っている債券では、抽選で額面償還されると時価との差だけ不利になり、下回っている場合は逆に有利になる。どの債券が対象になるかは発行時の条件で決まるので、目論見書の償還方法の欄で確認できる。
定時償還の具体例と注意点は?
発行額100億円・期間10年の債券が3年の据置後に毎年10億円ずつ償還する条件なら、満期時に残る元本は30億円になる。投資家から見ると、抽選に当たれば予定より早く元本が戻り、その時点の低い金利で運用し直す再投資リスクを負う。残存元本が減るため、平均的な投資期間を示す平均残存年限は表面上の満期より短くなる。
期限前償還との違い
期限前償還は、発行体が金利の低下などを見て任意に早めに返すもので、行使するかどうかは発行体が選ぶ。定時償還は発行時から予定が決まっていて、発行体の判断で止めることはできない。似た仕組みとして、償還資金をあらかじめ積み立てる減債基金があり、定時償還と組み合わせて使われることもある。
償還の時期や方法は、発行体の資金繰りの計画とあわせて決められる。発行後の一定期間を据置期間として償還を行わず、その後に返済を始める形が一般的で、据置期間が長いほど満期一括償還に近い性格になる。逆に据置期間がなく初年度から毎年返す形であれば、残高は直線的に減っていく。
日本の地方債の一部では、満期一括償還と定時償還を組み合わせた条件で発行されるものもあり、発行要項で確認できる。
償還された分の利息はそれ以降つかないため、受取利息の総額も減っていく。
関連用語
債券の元本を満期日にまとめて全額返す償還方法。国債や多くの社債がこの形をとり、受取額の予定が立てやすい一方、満期前に売ると市場価格次第で額面を下回ることがある。
発行体の都合で満期前に元本が返ってくる仕組みで、金利低下局面ほど起こりやすい。戻った資金を低い利回りで再投資せざるを得ない点が投資家の負担になる。
償還原資を期中に積み立てる仕組みで、満期の一括返済の負担を平準化します。投資家には信用面の安心材料になる一方、抽選による繰上償還で予定より早く資金が戻ることがあります。
再投資リスクは金利低下局面で受け取った利息を当初と同じ利回りで運用できなくなる問題。コーラブル債は特にリスクが高く、長期保有では再投資コストを加味したシミュレーションをもとにYTMを現実的に見積もることが重要だ。
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