「恒久的施設」とは
外国企業がその国で事業を行うために持つ支店や工場などの拠点で、その国が事業所得に課税できるかどうかの分かれ目になります。
📌 投資判断のポイント
外国企業がその国に持つ支店や工場などの拠点で、事業所得への課税権が生じるかどうかの分かれ目になる概念。支店・建設工事・代理人の三類型が基本で、準備的で補助的な活動だけの場所は除かれる
詳しい仕組み・意味
国際課税では、恒久的施設がなければ事業所得に課税しないという考え方が広く共有されています。頭文字からPEとも呼ばれます。区分はおおむね三つで、支店や事務所、工場のような物理的拠点である支店PE、一定期間を超える建設工事の現場を指す建設PE、本人に代わって契約を締結する権限を反復して行使する者を指す代理人PEです。日本の国内法でも、租税条約でも、この三分類が基本になっています。単に商品を保管したり展示したりするだけの場所など、準備的・補助的な活動にとどまる拠点は除かれます。租税条約と国内法で定義が食い違う場合は、条約の定めが優先されます。
具体例・注意点
外国法人が日本に支店を置いて営業すれば、その支店に帰属する所得は日本で法人税の対象になります。逆に、日本国内に拠点を持たず輸出しているだけなら、事業所得は日本では課税されないのが原則です。近年は、倉庫や在宅の営業担当者が代理人PEに当たるかどうかが争点になりやすく、租税条約の規定も見直されてきました。海外で事業を始めるときは、どの段階でPEが生じるかを先に確認しないと、想定外の申告義務と加算税を負うことがあります。認定をめぐって二国の解釈が割れたときは、租税条約に基づく相互協議で調整を求めることができます。個人でも、海外に拠点を置いて事業を行う場合は無関係ではありません。
関連用語
国外の関連会社との取引価格を、第三者どうしなら成立した価格に引き直して課税所得を計算する制度。利益を低税率国へ移す行為に対処する一方、相手国と課税が重なれば二重課税になるため相互協議で調整する
実体のない海外子会社にためた所得を日本の親会社の所得に合算して課税する制度。租税負担割合がペーパー・カンパニー等は27パーセント、それ以外は20パーセント以上なら適用が免除される
外国税額控除は海外配当の二重課税を調整する制度。米国株投資家の検索需要が高い。
租税条約に沿わない課税や国際的な二重課税が生じたときに、二国の税務当局が話し合って解決する手続。日本では国税庁の相互協議室が窓口で、移転価格課税や恒久的施設の認定をめぐる争いが主な対象になる
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