「相互協議」とは
租税条約に反する課税や国際的な二重課税が起きたとき、二国の税務当局どうしが話し合って解決する手続です。
📌 投資判断のポイント
租税条約に沿わない課税や国際的な二重課税が生じたときに、二国の税務当局が話し合って解決する手続。日本では国税庁の相互協議室が窓口で、移転価格課税や恒久的施設の認定をめぐる争いが主な対象になる
詳しい仕組み・意味
租税条約は、二重課税をなくすために、条約の規定に沿わない課税が行われた場合に当局が協議する道を用意しています。日本では国税庁の相互協議室が窓口となり、納税者からの申立てを受けて相手国の当局と協議します。申立ての対象になるのは、日本または条約相手国から移転価格課税を受けた場合、恒久的施設の認定をめぐって判断が分かれた場合、源泉徴収が条約の規定に反すると考えられる場合などです。移転価格課税で一方の国の所得が増やされたとき、もう一方の国が同額を減らす対応的調整が行われれば、二重課税は解消します。価格算定方法をあらかじめ二国間で合意しておく事前確認も、この枠組みを使って行われます。
具体例・注意点
日本の親会社が海外子会社との取引で移転価格課税を受け、追徴を課されたとします。相手国が子会社側の所得を同額減らしてくれなければ、同じ利益に二重に課税された状態が残ります。相互協議はこれを当局間で調整する仕組みです。申立てには条約ごとに期限が定められており、課税を知った時点から一定の年数を過ぎると使えなくなるため、更正通知を受けたら早めに検討する必要があります。合意までに数年かかることも珍しくなく、合意に至らないまま終わる案件もあります。国内の不服申立てと並行して進められる点も押さえておきたいところです。
関連用語
国外の関連会社との取引価格を、第三者どうしなら成立した価格に引き直して課税所得を計算する制度。利益を低税率国へ移す行為に対処する一方、相手国と課税が重なれば二重課税になるため相互協議で調整する
外国企業がその国に持つ支店や工場などの拠点で、事業所得への課税権が生じるかどうかの分かれ目になる概念。支店・建設工事・代理人の三類型が基本で、準備的で補助的な活動だけの場所は除かれる
外国税額控除は海外配当の二重課税を調整する制度。米国株投資家の検索需要が高い。
実体のない海外子会社にためた所得を日本の親会社の所得に合算して課税する制度。租税負担割合がペーパー・カンパニー等は27パーセント、それ以外は20パーセント以上なら適用が免除される
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