「PCFR(株価キャッシュフロー倍率)」とは
株価が、1株当たりのキャッシュフローの何倍になっているかを示す指標です。利益の代わりに現金の稼ぎで株価の割高・割安を測ります。
📌 投資判断のポイント
株価を1株当たりキャッシュフローで割った指標。利益の代わりに現金の稼ぎで割高・割安を測るため、減価償却の方法など会計処理の違いの影響を受けにくい。業種内の比較に使う。
PCFRはどういう仕組み?
計算式は、株価÷1株当たりキャッシュフローです。キャッシュフローには、純利益に減価償却費を足した簡便なものを使う場合と、営業キャッシュフローを使う場合があります。時価総額を会社全体のキャッシュフローで割っても同じ値になります。
PERの分母である純利益は、減価償却の方法や、資産の売却益・減損損失といった一時的な損益で大きく動きます。現金の出入りに近いキャッシュフローを分母にすると、会計処理の違いの影響を受けにくくなります。
そのため、設備の大きい鉄道、通信、電力、素材などの業種で、会社どうしを比べるときに使われます。減価償却の年数や方法が違う会社、国によって会計基準が違う会社を並べて見るときにも役立ちます。
PCFRの具体例と注意点は?
株価1,500円、1株当たり純利益100円、1株当たり減価償却費50円の会社では、PERは15倍ですが、PCFRは1,500÷150=10倍になります。減価償却費の大きい会社ほど、PERとPCFRの差が開きます。
一時的な減損損失で純利益が赤字になった年には、PERは計算できません。減損損失は現金の支出を伴わないため、キャッシュフローは黒字のままで、PCFRなら評価を続けられることがあります。
使うときの注意
業種によって水準が大きく違うため、同業他社や過去の水準と比べて使います。営業キャッシュフローは売掛金や在庫といった運転資金の増減で年ごとに振れるため、1年だけで判断せず数年の平均で見ます。
また、減価償却費は過去の設備投資の回収にあたる部分で、自由に使える現金ではありません。設備投資が重い会社では、営業キャッシュフローから設備投資を引いたフリーキャッシュフローまで確かめると実態に近づきます。
PCFRの逆数は、株価に対するキャッシュフローの利回りを表します。PCFRが10倍なら利回りは10%で、株価1,000円に対して1年に100円の現金を稼いでいる計算です。債券の利回りや預金金利と並べると、株式の評価の水準を直感的につかみやすくなります。
同じ会社でも、キャッシュフローの定義によって値が変わるため、比べるときは定義をそろえます。
関連用語
株価が1株当たり利益(EPS)の何倍かを示す基本評価指標。PBR(資産ベース)と異なり利益の稼ぐ力で評価する。業種別目安(成長株20〜30倍超/バリュー株10〜15倍)を押さえて同業種内比較に使う。
営業キャッシュフローは本業の現金創出力。利益が本当に現金化しているかを見る。
営業で稼いだ現金から投資を差し引いた後の残りで、企業が自由に使える資金。株主還元や成長投資の原資となる重要指標。
PSRは時価総額÷年間売上高で、赤字や利益変動の大きい成長企業の評価に有効。SaaS・バイオで多用される。高PSRは将来利益化への期待を織り込むため、売上成長率・粗利率・営業利益率と必ずセットで判断する。
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