「有償減資」とは
有償減資は、会社が資本金の額を減らし、その分の財産を株主に払い戻す手続きである。実質減資とも呼ばれ、会社の財産が実際に社外へ出ていく点が特徴だ。
📌 投資判断のポイント
資本金を減らし、その分の財産を株主に払い戻す手続き。株主総会の特別決議と債権者保護手続が必要で、払戻しの一部はみなし配当として課税される。
有償減資はどういう仕組み?
会社法では、資本金の額を減らすには、原則として株主総会の特別決議が必要になる。さらに、減資は会社の財産の裏付けを小さくするため、債権者を守る手続きとして官報への公告などを行い、債権者が異議を述べられる期間を1か月以上設けなければならない。そのため、決議から効力が生じるまでには少なくとも1か月以上かかる。事業規模を縮小して余った資金を株主に返す場合などに行われる。
特別決議は、議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で成立する決議である。ただし、定時株主総会で欠損の額の範囲内で減資する場合などは、普通決議で足りる例外がある。上場会社の有償減資はまれで、資本金を1億円以下に減らして税制上の中小企業の扱いを受ける目的の減資は、払戻しを伴わないことが多い。
有償減資の具体例と注意点は?
株主が払戻しを受けると、税務上は2つに分けて扱われる。会社の資本金等の額に対応する部分は株式の譲渡の対価とされ、それを超える部分はみなし配当として配当所得の扱いになる。上場株式等のみなし配当には、所得税と住民税を合わせて20.315%の源泉徴収が行われる。受け取った全額が非課税の払戻しになるわけではない点に注意したい。
有償減資と無償減資の違い
無償減資(形式減資)は、資本金の額を減らしても株主への払戻しを行わない減資で、累積した赤字を資本金で埋めて財務内容を整理するときなどに使われる。会社の財産は外に出ないため、株主の手元に現金は入らない。有償減資は財産が株主に戻り、無償減資は帳簿上の数字の付け替えにとどまる、という違いがある。株価への影響も、前者は還元、後者は再建の合図として受け止められることが多い。
減資を発表した会社の株価が上がるか下がるかは、減資の理由と払戻しの有無で読み分ける必要があり、減資という言葉だけで判断しないことが大切だ。適時開示の資料で、払戻しの額と基準日を確かめておきたい。
出典: e-Gov法令検索「会社法」
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自己株式の買い取りや資本の払戻しで受け取ったお金のうち、資本金等の額を超える部分を配当として課税する仕組み。上場株式等は20.315%が源泉徴収される。
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