「みなし配当」とは
みなし配当は、形式上は配当ではないが、実質的に会社の利益が株主に分配されたとみて、税法上は配当として扱われる金額のことである。
📌 投資判断のポイント
自己株式の買い取りや資本の払戻しで受け取ったお金のうち、資本金等の額を超える部分を配当として課税する仕組み。上場株式等は20.315%が源泉徴収される。
みなし配当はどういう仕組み?
会社が株主から自己株式を買い取るときや、資本の払戻し(有償減資など)を行うときに生じる。株主が受け取った金額のうち、その株式に対応する資本金等の額を超える部分は、会社がためた利益の分配とみなされ、配当所得になる。資本金等の額に対応する部分は、株式を売ったときの譲渡収入として扱われる。つまり、1回の受け取りが、配当所得と譲渡所得の2つに分かれて課税される。
みなし配当は配当所得なので、上場株式等であれば、確定申告で総合課税を選んで配当控除を受けたり、申告分離課税を選んで上場株式等の譲渡損失と損益通算したりできる。TOBに応じた場合、譲渡収入とされる部分は資本金等の額に対応する額にとどまるため、取得価額を下回って譲渡損失が出ることも多い。この損失は、同じ年の上場株式等の譲渡益と相殺できる。
みなし配当の具体例と注意点は?
上場会社が公開買付け(TOB)で自己株式を買い取り、株主がそれに応じた場合、受取額の一部がみなし配当になることがある。上場株式等のみなし配当には、所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%が源泉徴収される。一方、証券取引所の市場で会社が自己株式を買う場合は、売った株主から見れば通常の売却と区別できないため、みなし配当は生じない。同じ自社株買いでも、応じ方によって税の扱いが変わる。
みなし配当と通常の配当の違い
通常の配当は、会社が剰余金の配当として株主に支払うもので、全額が配当所得になる。みなし配当は、配当以外の形で受け取ったお金の一部が、税法によって配当とされるものだ。通常の配当は持ち株に応じて定期的に受け取るが、みなし配当はTOBや減資など、特定の出来事に伴って生じる。
TOBの公表資料には、1株あたりのみなし配当の見込み額が記載されることが多いので、応募する前に確かめておきたい。
関連用語
資本金を減らし、その分の財産を株主に払い戻す手続き。株主総会の特別決議と債権者保護手続が必要で、払戻しの一部はみなし配当として課税される。
自己株式は企業が保有する自社株。消却されるとEPS改善につながりやすい。
企業が株式を市場外で一定価格で買い集める手法。買収や再編に使われ、株価に大きな影響を与える。
企業の利益を株主に分配するインカムゲインの代表。配当利回り3〜5%台が日本の高配当株の目安。NISAを使えば配当も非課税になり、再投資による複利効果も狙える。
譲渡益課税は投資の売却益にかかる税金。NISAとの違いも重要である。
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