「経常利益率」とは
売上高に対する経常利益の割合。本業のもうけに、利息や配当など毎期くり返し生じる本業以外の損益を加えた稼ぐ力を示す。
📌 投資判断のポイント
本業のもうけに金融の損益を加えた、毎期の実力を見る割合。営業利益率と並べると、借入の利息負担や為替差益など本業以外の要因がどれだけ効いているかが読み取れる。
経常利益率はどういう仕組み?
計算式は「経常利益 ÷ 売上高 × 100」。経常利益は、営業利益に受取利息・受取配当金などの営業外収益を足し、支払利息などの営業外費用を引いたもので、土地の売却益や災害損失のような臨時の損益は含まない。そのため、毎期の実力を見る指標として日本では古くから使われてきた。営業利益率と並べて見ると、本業以外の要因がどれだけ利益を押し上げたり押し下げたりしているかが分かる。借入金が多い会社は支払利息で経常利益率が営業利益率より低くなりやすく、手元資金や投資有価証券が多い会社は逆に高くなりやすい。なお、国際財務報告基準(IFRS)には経常利益の区分がないため、IFRS採用企業とは同じ物差しで比べられない。
経常利益率の具体例と注意点は?
売上高10億円、営業利益8,000万円、支払利息2,000万円、受取配当金500万円の会社なら、経常利益は6,500万円で経常利益率は6.5%になる。営業利益率8%との差1.5ポイントは主に借入の利息負担を表している。円安で為替差益が出た年は経常利益率が一時的に上がることがあるため、営業外収益の中身も確かめたい。業種によって水準が大きく違うので、同業他社や自社の過去と比べて読むのが基本である。
営業利益率との使い分け
本業の稼ぐ力そのものを見たいときは営業利益率、借入の重さや資産運用の成果まで含めた毎期の実力を見たいときは経常利益率が向いている。日本の中小企業の経営分析や金融機関の融資の審査では、経常利益が重視されてきた歴史があり、経常利益率もよく使われる。
計算するときの注意
経常利益率は、同じ会社の数字を5年ほど並べて推移を見ると役に立つ。1年だけ高い年があれば、為替差益や持分法による投資利益のような本業以外の要因で押し上げられていないかを確かめる。逆に、営業利益率は横ばいなのに経常利益率だけが下がっていれば、借入金の増加や金利の上昇で利息の負担が重くなっているサインかもしれない。
目安として、借入金の少ない会社では営業利益率と経常利益率の差は小さく、差が大きい会社ほど本業以外の損益の影響を受けやすい。どちらの率も、1社だけを見るより、同じ業種の数社を並べると水準感がつかみやすい。
関連用語
本業のもうけ(営業利益)に利息・配当・為替差損益など本業以外を加えた、会社の実力ベースの利益。一時的な特別損益は含まず反復的な稼ぐ力を見るのに向く。米国会計には概念がなく海外比較は不可。
売上に対する営業利益の割合で、企業の収益効率を示す指標。利益額ではなく比率で見ることで、企業の競争力が見えてくる。
売上に対する最終利益の割合で、企業の最終的な収益力を示す指標。すべてのコストを含んだ結果であり、投資判断に直結する。
本業の外で毎期かかる費用で、代表は借入金の利息。金利が上がる局面では、営業利益が変わらなくても経常利益を削る要因になるため、借入の多い会社ほど注目したい欄。
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