「営業赤字」とは
営業利益がマイナスになった状態。本業で稼いだ粗利益だけでは、人件費や家賃などの運営費をまかなえていないことを示す。
📌 投資判断のポイント
本業のもうけで運営費をまかなえていない状態。最終利益が黒字でも、営業赤字は事業そのものの弱さを示す。赤字が続くか、縮んでいるかの向きで読むのが基本。
営業赤字はどういう仕組み?
損益計算書では、売上高から売上原価を引いて売上総利益を出し、そこから販売費及び一般管理費を引いたものが営業利益になる。これがマイナスなら営業損失、いわゆる営業赤字である。最終的な当期純利益は、土地の売却益などの特別利益でプラスになることもあるが、営業赤字は本業そのものがもうかっていないことを意味するため、決算書を読むうえでは特に重く見られる。原因は、売上の急な落ち込み、原材料高による粗利益の減少、人件費や広告費の増加などさまざまである。立ち上げ期の新興企業が先行投資で営業赤字を続けることもあり、その場合は売上の伸びと赤字幅の縮まり方を見て判断する。
営業赤字の具体例と注意点は?
売上高50億円、売上総利益15億円、販売費及び一般管理費17億円なら、営業損益は2億円の赤字になる。営業赤字が2期以上続き、手元の現金も減っている会社は、資金繰りに注意が必要である。決算短信の注記に継続企業の前提に関する記載が加わっていないかも確かめたい。一方、赤字幅が四半期ごとに縮んでいるなら、黒字化への道筋を会社の説明で確認したい。
どこから赤字かを見分ける
損益計算書の利益は、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益と段階を追って並ぶ。売上総利益の段階からマイナスなら商品そのものが原価割れしており、営業利益で初めてマイナスになるなら運営費が重すぎる、というように、赤字が始まる段階で問題のありかが見えてくる。
家計に置き換えると
家計でいえば、毎月の給料で家賃や光熱費、食費をまかなえず、貯金を取り崩している状態に近い。たまたま臨時のボーナスや資産の売却で年間の収支が黒字になっても、毎月の赤字が直ったわけではない。会社の営業赤字も同じで、特別利益で最終利益が黒字になっていても、本業の立て直しの見通しが示されているかを確かめたい。
なお、決算短信では営業赤字は「営業損失」と書かれ、前の年との比較の欄に「−」の符号や「△」の記号が付く。△はマイナスを表す日本の決算書の慣習的な記号で、△200なら200のマイナスという意味になる。赤字の原因が一時的な要因なのか、事業の仕組みそのものにあるのかを分けて考えることが、読み手には求められる。
関連用語
本業でどれだけ利益を生み出しているかを示す指標。売上から営業コストを引いた利益であり、企業の競争力やビジネスモデルの強さを測る中心的な数値。
商品やサービスを売るための費用と、会社全体を運営するための費用をまとめた損益計算書の区分です。売上総利益から差し引くと営業利益になり、略して販管費と呼ばれます。
注記が付いたことと倒産が決まったことは別で、解消計画が機能して注記が外れる企業もある。見るべきは注記の有無そのものではなく、本文に書かれた資金繰りの手当てが実際に進んでいるかどうか。
最後の数字がマイナスになった決算。本業の不振か、減損など一度きりの費用かで意味は大きく違う。損益計算書を上から順にたどり、どこでマイナスになったかを見たい。
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