「低額譲渡」とは
財産を時価より著しく低い価額で売ること。個人間で行うと、時価と支払った対価との差額が、売り手から買い手への贈与とみなされて贈与税の対象になる。
📌 投資判断のポイント
財産を時価より著しく低い価額で売ること。個人間では、時価と対価の差額が買い手への贈与とみなされ、贈与税の対象になる。
低額譲渡はどういう仕組み?
相続税法第7条は、著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合、対価と時価との差額を贈与によって取得したものとみなすと定めている。親が子に土地を安く売る、祖父母が孫に株式を安く譲るといった家族間の取引が典型である。
時価の考え方は財産の種類で違う。土地や家屋、上場株式などは通常の取引価額で判断し、それ以外の財産は相続税評価額で判断する。土地であれば、路線価ではなく実際に取引されている価格が比較の基準になる。
低額譲渡の具体例と注意点は?
時価3,000万円の土地を親が子に1,000万円で売った場合、差額2,000万円が贈与とみなされる。暦年課税なら基礎控除110万円を差し引いた1,890万円に税率がかかり、子が18歳以上なら特例税率で計算して585万5,000円(1,890万円×45%-265万円)の贈与税になる。
どの程度で「著しく低い」とされるかは、個々の取引の事情に照らして判断され、一律の基準はない。ただし、資力を失って債務を弁済できない人が、その弁済のために扶養義務者から低い価額で譲り受けた場合は、弁済が困難な金額の範囲で課税されない。
法人への低額譲渡との違い
個人が法人に時価の2分の1未満の価額で資産を譲渡した場合は、所得税法上、時価で譲渡したものとみなされ、売り手の個人に譲渡所得の課税が生じる。個人間では買い手に贈与税、法人相手では売り手に所得税と、課税される側が入れ替わる。
低額譲渡とみなされた差額は、同じ年に受けたほかの贈与と合算し、基礎控除110万円を超えれば申告が必要になる。申告期限は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までである。家族間で不動産を売買するときは、不動産鑑定士の鑑定評価や近隣の取引事例をもとに価格を決め、売買契約書と代金の支払い記録を残しておくと、後から時価との開きを説明しやすい。代金を払ったことにして実際には払わない取引は、全額が贈与と判断されうる。
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