「発行価格」とは
債券が新しく発行されるときに、投資家が支払う価格です。債券では額面金額100円あたりの金額で表し、100円ちょうどを「パー発行」、100円を下回るものを「アンダーパー発行」、上回るものを「オーバーパー発行」と呼びます。
📌 投資判断のポイント
新しく発行される債券を投資家が買う価格で、額面100円あたりで表す。100円を下回れば満期に償還差益、上回れば償還差損が生じ、表面利率と市場金利の差を調整する役割を持つ。
発行価格はどういう仕組み?
債券は満期に額面金額で償還されるのが原則です。そのため、発行価格が額面より低ければ、利子とは別に満期までに差額の利益(償還差益)が得られ、高ければ差額の損失(償還差損)が生じます。発行価格は、債券の表面利率と市場金利の差を調整する役割を持っています。
国の利付国債の多くは、入札によって発行価格が決まります。市場金利が表面利率より高ければ価格は100円を下回り、低ければ100円を上回ります。一方、個人向け国債は、財務省が販売価格を額面金額100円につき100円と定めており、償還金額も中途換金時を含めて100円につき100円です。
発行価格の具体例と注意点は?
額面100円、表面利率年1%、期間5年の債券を99円で買った場合を考えます。毎年の利子は1円、満期の償還差益は1円で、1年あたりにならすと0.2円です。合計1.2円を購入価格の99円で割ると、応募者利回りは年約1.21%になり、表面利率の1%を上回ります。
発行価格が100円を超える債券は、満期まで持つと償還差損が出ます。表面利率が高く見えても、利回りでは見劣りする場合があります。債券を比べるときは、表面利率ではなく、発行価格を反映した利回りで比べてください。
額面金額との違い
額面金額は、債券の券面に記された金額で、利子の計算と償還の基準になる「元本」です。発行価格は、その債券を最初に手に入れるために投資家が実際に支払う金額です。額面は発行から満期まで変わりませんが、発行価格は発行時の市場金利によって決まり、その後の売買価格は市場で日々変わります。
株式でも、新規上場や増資の際に投資家が払い込む1株あたりの価格を発行価格と呼びます。債券の発行価格が額面100円あたりで示されるのに対し、株式の発行価格は1株あたりの円で示され、満期や償還はありません。
出典: 財務省「個人向け国債商品概要」
関連用語
利息は購入価格ではなく額面に対して計算され、償還時に戻るのも額面。だから安く買えた分はそのまま償還差益になる。この構造を押さえておくと、表面利率と利回りの意味を取り違えずに済む。
表面利率だけを見ると発行価格が額面と違う債券を正しく比較できない。額面割れで発行された分は償還時の差益として利回りに上乗せされる。満期保有と予定どおりの償還が前提であり、途中売却すれば実際の成果は所有期間利回りのほうで測ることになる。
couponは債券保有中に受け取る定期的な利息。bond-yieldとは違い、発行時に決まる約束の利率であり、債券の実際の利回りや安全性そのものを示す数字ではない。
半年ごとに利子が出て満期に額面が戻る標準的な国債です。途中で売る場合は市場価格によるため、額面で換金できる個人向け国債とは扱いが異なります。長期債ほど価格の振れは大きくなります。
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