「棚卸減耗」とは
棚卸減耗とは、帳簿に記録されている在庫の数より、実際に数えた在庫の数が少なくなっていることです。その差に原価を掛けた金額を棚卸減耗損として費用にします。
📌 投資判断のポイント
帳簿の在庫数より、実際に数えた在庫数が少ないこと。差に原価を掛けて費用にする。値打ちの下落を表す在庫評価損とは別のもの。
棚卸減耗はどういう仕組み?
在庫は、保管中の破損や蒸発、紛失、盗難、記録の誤りなどで減ることがあります。決算のときに実地棚卸で数を確かめ、帳簿との差を調整します。毎期ふつうに起きる範囲の減耗は売上原価や販売費に含め、火災のような異常な原因によるものは営業外費用や特別損失とします。在庫評価損が「値打ちの下落」を表すのに対し、棚卸減耗は「数の不足」を表す点が違います。
棚卸減耗の具体例と注意点は?
例えば帳簿では1,000個、実際には980個で、1個の原価が500円なら、減耗損は20個×500円で1万円です。金額が毎期増えているときは、保管のやり方や管理の仕組みに問題があるかもしれません。小売業では万引きによる減少も重い課題で、利益率を押し下げる要因になります。一般の決算書では内訳まで書かれないことも多いので、説明資料で在庫の管理について触れられていないかを確かめるのが現実的な読み方です。
在庫評価損との違い
棚卸減耗は、在庫の「数」が足りないことによる損失です。在庫評価損は、数はそろっていても、売れる値段が下がって「値打ち」が減ったことによる損失です。同じ在庫の損失でも、原因が違うので打つ手も変わります。数の問題なら保管や管理の見直し、値打ちの問題なら仕入れや販売計画の見直しが必要になります。
読むときのポイント
減耗の額を売上高と比べると目安になります。例えば売上が10億円で減耗が500万円なら0.5%です。わずかに見えても、売上総利益率が20%の会社では、500万円を取り戻すのに2,500万円の売上が必要な計算です。薄利の業種ほど、在庫の管理が利益に大きく響きます。
よくある誤解
「数が合わないのは数え間違いだけ」というのは誤解です。もちろん記録の誤りもありますが、破損や盗難といった実際の損失が隠れていることもあります。原因を分けて調べないと、同じ減耗が毎年繰り返されてしまいます。定期的に実地で数えて、差が出た商品や場所を絞り込むのが有効な対策です。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。