間接法

企業分析
よみ:かんせつほう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「間接法」とは

間接法は、キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローを、利益の数字から出発して、実際の現金の動きに合うよう足し引きしながら示す作り方です。日本の上場企業の多くがこの方法を使っています。

📌 投資判断のポイント

利益から出発し、現金が動かない費用や売掛金・在庫の増減を足し引きして営業キャッシュフローを示す方法。利益と現金のずれの原因が読み取りやすい。

間接法はどういう仕組み?

企業会計審議会の「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」は、営業活動によるキャッシュ・フローの示し方として、直接法と間接法の2つを認めています。間接法では、税金等調整前当期純利益を出発点にして、減価償却費のように現金が出ていかない費用を足し戻し、売上債権や棚卸資産、仕入債務など営業に関わる資産・負債の増減を加減します。さらに、固定資産の売却損益のように投資や財務の区分に含まれる損益項目も取り除きます。こうすることで、損益計算書の利益と実際の現金の差がどこで生まれたのかが、調整項目の一覧として見えるようになります。

間接法の具体例と注意点は?

例えば税引前の利益が100万円で、減価償却費が30万円、売掛金の増加が50万円なら、営業キャッシュフローはおおまかに100+30−50=80万円となります(税金の支払いなどは省いた単純な例です)。利益が出ているのに現金が増えていない会社では、売掛金や在庫の増加が大きな調整項目として表れることが多く、黒字倒産の兆しを読む手がかりになります。調整項目のうち金額の大きいものから順に見ていくと、利益と現金のずれの主な原因をつかみやすくなります。

間接法と直接法の違い

どちらの方法で作っても、営業キャッシュフローの合計額は同じになります。違うのは途中の見せ方です。間接法は利益から出発するので、損益計算書とのつながりが分かりやすい反面、取引ごとにいくら入り、いくら出たかという総額は見えません。直接法は入金と支払いの総額を並べるので家計簿のように直感的ですが、利益とのずれの原因は直接は分かりません。作る手間が少ないこともあり、実務では間接法が主流です。

決算書のどこを見るか

有価証券報告書や決算短信のキャッシュフロー計算書では、営業活動の区分の一番上に税金等調整前当期純利益があり、その下に減価償却費、売上債権の増減額、棚卸資産の増減額、仕入債務の増減額などが並びます。売上債権や棚卸資産の欄がマイナスなら、そのぶん現金が売掛金や在庫に姿を変えたという意味です。まずは利益と営業キャッシュフローの合計を比べ、差が大きい年だけ内訳を追うと効率よく読めます。

出典: 企業会計審議会「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(金融庁ウェブサイト掲載)

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