「キャッシュフロー計算書」とは
一定期間に会社の現金がどこから入り、どこへ出ていったかを、営業・投資・財務の3つに分けて示す決算書。利益ではなく「お金そのものの動き」を記録する。
📌 投資判断のポイント
営業・投資・財務の3区分で現金の出入りを示す決算書。利益に現金の裏付けがあるかを確かめる道具で、利益が出ていても営業キャッシュフローが赤字なら売掛金や在庫の増え方を確認する。
キャッシュフロー計算書はどういう仕組み?
損益計算書の利益は、売った時点で売上を計上するため、代金をまだ受け取っていない分も含まれる。キャッシュフロー計算書はこのずれを埋め、実際に動いた現金だけを追う。区分は、本業で稼いだ現金を示す営業キャッシュフロー、設備や有価証券の売買による投資キャッシュフロー、借入や返済・配当などの財務キャッシュフローの3つ。3区分の合計が期首から期末までの現金の増減に一致し、その期末残高は貸借対照表の現金とつながる。
キャッシュフロー計算書の具体例と注意点は?
1年で利益が1,000万円出ても、売掛金が800万円増え、在庫が500万円増えていれば、営業キャッシュフローは赤字になりうる。利益が出ているのに資金が足りなくなる「黒字倒産」は、この表を見れば兆しをつかみやすい。逆に、営業キャッシュフローが大きなプラスでも、設備投資を極端に絞って作った数字の可能性があるので、投資キャッシュフローと合わせて読む。
損益計算書との違い
損益計算書は「もうかったか」、キャッシュフロー計算書は「お金が残ったか」を見る表。減価償却費は利益を減らすが現金は出ていかないため、営業キャッシュフローでは足し戻される。両者を並べると、利益の質(現金の裏付けがあるか)が見えてくる。
読む順番の目安
最初に営業キャッシュフローの符号を確かめる。プラスなら本業で現金を生んでいる。次に投資キャッシュフローの大きさを見て、稼いだ現金のうちどれだけを将来への投資に回したかを確認する。最後に財務キャッシュフローで、足りない分を借りたのか、余った分を返済や配当に回したのかを読む。営業キャッシュフローを売上高で割った営業キャッシュフロー・マージンは、売上100円あたり何円の現金が残ったかを示し、5年分ほど並べると稼ぐ力の安定度がわかる。上場会社では有価証券報告書と決算短信に載っている。
なお、キャッシュフロー計算書の「現金」には、手元の現金と普通預金のほか、満期まで3か月以内の定期預金のように、すぐに現金に換えられて価値がほとんど変わらないものも含まれる。貸借対照表の「現金及び預金」とは範囲が少し違うことがあるので、期末残高が一致しないときは注記の差額の説明を見るとよい。
関連用語
損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)・キャッシュフロー計算書(C/F)の総称で、3表は連動する。利益が出ていても現金が枯れる黒字倒産があるため、P/Lの利益はC/Fの現金の裏付けとあわせて読む。
営業キャッシュフローは本業の現金創出力。利益が本当に現金化しているかを見る。
設備や有価証券・企業買収への投資と売却で動いた現金。成長企業では通常マイナスで、営業キャッシュフローとの合計がフリーキャッシュフローの目安になる。
借入や株式発行による調達と、返済・配当・自社株買いで動いた現金。会社とお金の出し手とのやりとりを示し、営業キャッシュフローと合わせて外部資金への依存度を読む。
利益は出ているのに支払いに必要な現金が尽きて倒産すること。売掛金や在庫が急に膨らむ成長局面で起きやすく、営業キャッシュフローの赤字が続くことが兆しになる。
企業分析 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。