逓増料金制

制度・取引
よみ:ていぞうりょうきんせい
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「逓増料金制」とは

逓増料金制とは、使用量が増えるほど1単位あたりの料金単価が段階的に高くなる料金体系です。日本の水道料金の多くがこの仕組みを採用しており、少量の生活用水は安く、大量に使う利用者ほど高い単価を負担する形になっています。

📌 投資判断のポイント

使用量が増えるほど単価が段階的に上がる料金体系。東京都23区の水道は1か月5立方メートルまで0円、21〜30立方メートルは1立方メートル163円(税抜)と上がる。

逓増料金制はどういう仕組み?

料金表は使用量の区切り(段階)ごとに単価を定め、各段階に入った分だけその単価を掛けて合計します。全量に一番高い単価がかかるのではなく、超えた部分だけが高い単価になる点が特徴です。東京都23区の水道料金(口径13〜25ミリ、税抜・1か月)では、1〜5立方メートルが0円、6〜10立方メートルが1立方メートル22円、11〜20立方メートルが128円、21〜30立方メートルが163円と上がり、1,001立方メートル以上では404円になります。

逓増料金制の具体例と注意点は?

東京都23区で1か月20立方メートルを使うと、従量料金は0円×5+22円×5+128円×10で1,390円(税抜)です。30立方メートルに増えると163円×10が加わって3,020円になり、使用量は1.5倍でも従量料金は2倍を超えます。多く使う家庭ほど節水の効果が大きい一方、少量しか使わない世帯では従量料金がほとんどかからず、節水しても請求額はあまり下がりません。

逓増制と逓減制の違い

逓増制とは逆に、使用量が増えるほど単価が下がる仕組みを逓減制と呼びます。大口の利用者ほど割安になるため、工業用の料金などで見られます。水道で逓増制が多いのは、生活に欠かせない少量の水を安く供給し、大量使用を抑えて水資源を守る政策的な意図があるためです。ただし人口減少で大口需要が減ると料金収入が不安定になりやすく、段階を見直す自治体も出ています。

数値でみる逓増料金制(東京都23区)

東京都23区で口径20ミリの家庭が1か月に使う量を10立方メートルずつ増やすと、水道料金(税抜)は10立方メートルで1,280円、20立方メートルで2,560円、30立方メートルで4,190円、40立方メートルで6,210円になります。最初の10立方メートルの従量料金は110円にすぎませんが、31〜40立方メートルの10立方メートルには2,020円がかかります。同じ10立方メートルでも、使用量の段階によって負担が約18倍違う計算です。これに下水道料金も段階的に上乗せされるため、使用量の多い家庭ほど、風呂の残り湯の活用や節水型の機器で減らせる金額が大きくなります。

出典: 東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」

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