税引前当期純利益

企業分析
よみ:ぜいびきまえとうきじゅんりえき
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「税引前当期純利益」とは

法人税などの税金を差し引く前の、その期の最終的なもうけ。経常利益に特別利益を足し、特別損失を引いて求める。

📌 投資判断のポイント

税金を引く前の最終利益で、税負担の差を除いて比べたいときに便利な数字。ただし臨時の損益を含むため、特別利益や特別損失が大きい年は経常利益と並べて読むのが安全。

税引前当期純利益はどういう仕組み?

日本の会計基準の損益計算書は、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益と、段階ごとに利益を示す。税引前当期純利益は、本業と金融収支をまとめた経常利益に、その期だけの臨時の利益と損失を加減した数字である。ここから法人税・住民税・事業税と、会計と税務のずれを調整する法人税等調整額を差し引くと当期純利益になる。国際会計基準(IFRS)を使う会社では経常利益という区分がなく、「税引前利益」として示されることが多い。税率の違いや繰越欠損金の有無に左右されない利益なので、税負担の差を除いて会社どうしを比べたいときに使われる。

税引前当期純利益の具体例と注意点は?

経常利益が10億円、特別利益が1億円、特別損失が3億円なら、税引前当期純利益は8億円になる。注意点は、特別損益が大きい年は、この数字が会社の普段の実力からずれやすいことだ。工場の売却益で膨らんだのか、減損で沈んだのかは内訳を見ないと分からない。また、税引前当期純利益に対して税金の負担割合が極端に高い・低い年は、繰延税金資産の取り崩しや欠損金の利用など、会計上の調整が働いていることが多い。

当期純利益との違い

税引前当期純利益から法人税等を引いたものが当期純利益である。日本の法人税・住民税・事業税を合わせた実効税率はおおむね30%前後とされ、税引前当期純利益が10億円なら当期純利益は7億円前後になるのが目安だ。ただし、赤字の繰越がある会社や海外で稼ぐ会社では、この割合が大きく変わる。

決算書での読み方

税引前当期純利益に対する税金の割合(税負担率)が毎年のように大きく変わる会社は、税金の調整項目が多いことを示している。会社どうしで「本当のもうけの力」を比べるなら、税金の影響を除いたこの数字と、臨時の損益を除いた経常利益の両方を並べて見るのがよい。

なお、国際会計基準や米国の基準で作られた決算書では、同じ位置の利益が「税引前利益」や「税金等調整前当期純利益」など別の名前で表示される。名前の違いに惑わされず、税金を引く直前の利益を拾って比べればよい。海外の会社と日本の会社を並べるときには、とくにこの点に気をつけたい。

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