「現物分割」とは
相続財産をそのままの形で、誰が何を取得するかを決めて割り当てる分け方です。遺産分割の方法としてもっとも基本的な形にあたります。
📌 投資判断のポイント
財産を売らずにそのまま割り当てる分け方。手続きは簡素ですが、種類ごとに評価額が違うため法定相続分どおりに割り切れないことが多く、代償金での調整が必要になります。
詳しい仕組み・意味
自宅は配偶者、預貯金は長男、上場株式は長女、というように、財産を換金も精算もせずに個別に配分します。売却の手間がかからず、譲渡所得税や仲介手数料といった処分に伴う費用も発生しないため、手続きとしてはもっとも簡素です。土地を分筆して複数の相続人に分ける方法も現物分割に含まれます。
一方で、財産の種類ごとに評価額が異なるため、法定相続分どおりにきれいに割り切れることはまれです。差額が大きくなるときは、多く取得する側が他の相続人へ金銭を支払う代償分割を組み合わせるか、一部を売却して精算する換価分割へ切り替えることになります。
具体例・注意点
自宅2,000万円、預貯金1,000万円を子2人で分ける場合、自宅と預貯金をそのまま1人ずつ割り当てれば現物分割ですが、取り分は2倍近い差になります。この差を了解したうえで合意するのか、代償金で調整するのかを、遺産分割協議書に明記しておくことが欠かせません。不動産を分筆する場合は、接道条件や形状によって分割後の価値が下がることがある点にも注意します。
関連用語
遺産分割協議は相続人全員で遺産の分け方を決める手続き。税金と取得後の管理負担を両方見る。
実家を売らずに残したい相続で使われる方法だが、成否は取得者が代償金を用意できるかにかかっている。協議書に代償である旨を書き漏らすと贈与税の対象になりうるため、書面の文言がそのまま税負担を左右する。
誰も現物を引き取れないときの現実的な選択肢になる。売却代金そのものではなく、譲渡所得税と経費を引いた後の手取りで公平を考えないと想定より取り分が減る。空き家の特例が使えるかは売却前に確認しておきたい。
法定相続分は分割の基準であり、各資産をその割合の共有にする義務ではない。
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