「代償分割」とは
不動産など分けにくい遺産を一人が取得し、他の相続人へ自分の財産から差額を支払う分け方。
📌 投資判断のポイント
実家を売らずに残したい相続で使われる方法だが、成否は取得者が代償金を用意できるかにかかっている。協議書に代償である旨を書き漏らすと贈与税の対象になりうるため、書面の文言がそのまま税負担を左右する。
詳しい仕組み・意味
遺産分割の方法には現物分割・代償分割・換価分割・共有の4つがあり、代償分割は物を分けずに金銭で調整するやり方にあたる。実家や事業用資産のように物理的に切り分けられない、あるいは切り分けると価値が落ちる財産で使われる。取得者が支払う金銭を代償金と呼び、原資は遺産ではなく取得者固有の財産から出す。遺産分割協議書には、誰が何を取得し、その代償として誰にいくら支払うのかを明記する必要がある。この記載を欠くと代償金が単なる贈与とみなされ、贈与税を課されるおそれがある。代償金は一括ではなく分割で支払う取り決めも可能だが、その場合は支払時期・方法・遅れたときの扱いまで協議書に書き込んでおく必要がある。
具体例・注意点
相続人が兄弟2人、遺産が評価額3,000万円の実家のみという場合、兄が実家を取得して弟へ1,500万円を支払えば、法定相続分どおりに分けられる。注意点は3つある。第一に、取得者に代償金を用意する資力が必要で、これが最大のハードルになる。第二に、評価額をいつの時点・どの基準で見るかによって代償金が大きく変わるため、路線価か時価かを協議の段階で合意しておく。第三に、代償金を現金ではなく取得者名義の不動産などで支払うと、その資産を譲渡したものとして譲渡所得課税が生じる。
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