信託保全

為替・FX
よみ:しんたくほぜん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「信託保全」とは

FX(外国為替証拠金取引)などで顧客が差し入れた証拠金を、業者が自社の資金と分けて信託銀行に信託し、業者が破綻しても顧客に返せるようにしておく仕組み。法令上は「区分管理信託」と呼ばれる。

📌 投資判断のポイント

FXなどの証拠金を業者の資金と分けて信託銀行に信託しておく仕組み。店頭FXは2010年2月から金銭信託による区分管理に一本化され、投資者保護基金の補償対象外である点が株式と異なる。

信託保全はどういう仕組み?

店頭FXの証拠金は、かつては業者ごとに管理方法がまちまちで、業者の破綻で証拠金が戻らない事例が問題になった。そこで金融商品取引業等に関する内閣府令が改正され、2010年2月から店頭の通貨関連デリバティブ取引の証拠金は金銭信託による区分管理に一本化された。信託された資金は業者の倒産手続きから切り離され、受益者代理人を通じて顧客に返還される。

信託保全には、信託する額を毎営業日計算して差し替える業者もあれば、数日おきに計算する業者もあり、頻度によって破綻時に戻る額と実際の残高との差の大きさが変わる。また、信託先を複数の銀行に分けている業者もある。受益者代理人に弁護士などの外部の第三者を置いているかどうかも、破綻時に手続きが滞りなく進むかを左右する要素になる。

信託保全の具体例と注意点は?

100万円を証拠金として預け、含み益が20万円ある状態で業者が破綻した場合、信託の対象は直前の計算時点での顧客の取り分であり、日々の値動きとの間に差が出ることがある。また信託保全はあくまで業者の破綻に備えるものであり、相場変動による損失を埋めるものではない。証拠金維持率を割り込めば、通常どおりロスカットや追証の対象になる。

投資者保護基金との違い

株式や投資信託を預ける証券口座では、分別管理に加えて投資者保護基金が1人1,000万円まで補償する二重の備えがある。一方、店頭FXは日本投資者保護基金の補償対象外とされており、守りの中心は信託保全そのものになる。業者を選ぶときは、信託先の銀行名と信託の頻度を確認しておくとよい。

信託保全が導入される前の2000年代には、店頭FX業者の破綻で証拠金の多くが戻らなかった例があり、規制強化のきっかけになった。現在は信託保全に加えて、個人向け店頭FXのレバレッジが25倍までに制限されるなど、顧客保護の仕組みが重ねられている。

出典: e-Gov法令検索「金融商品取引業等に関する内閣府令」

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