固定長期適合率

企業分析
よみ:こていちょうきてきごうりつ
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「固定長期適合率」とは

工場や設備といった長期に使う資産を、返済を急がなくてよい長期の資金でまかなえているかを見る指標です。

📌 投資判断のポイント

長く使う資産を長く借りた資金でまかなえているかという、期間のミスマッチを測る指標。100%超が即危険を意味するわけではなく、大型投資の直後は一時的に超えることもあるため流動比率とあわせて読む。設備が収益を生んでいるかは別途確認が要る。

詳しい仕組み・意味

計算式は「固定資産 ÷(自己資本+固定負債)× 100」で、単位は%です。100%を下回っていれば、固定資産が自己資本と長期借入金の範囲内で調達されていることを意味し、財務の安定性が保たれていると判断されます。

背景にあるのは、資金の調達期間と運用期間を一致させるという考え方です。回収に10年かかる設備を1年で返済する短期借入でまかなうと、返済期日ごとに借換えが必要になり、金融環境が悪化した局面で資金繰りが行き詰まります。この不一致を数値で捉えるのが固定長期適合率です。

似た指標に固定比率(固定資産÷自己資本)があります。こちらは自己資本だけで固定資産をまかなえているかを見る、より厳しい基準です。実際には長期借入を活用する企業が大半で固定比率は100%を超えることが多いため、実務では固定長期適合率のほうが判断基準として使いやすいとされます。

具体例・注意点

固定資産300億円、自己資本200億円、固定負債150億円の企業であれば、300÷350×100で約86%となり、長期資金の範囲に収まっています。これが110%であれば、差額の分だけ短期借入で設備をまかなっている状態です。

注意点は2つあります。第一に、100%を超えていても直ちに危険とはいえません。大型投資を実行した直後や、短期借入の借換えが安定している企業では一時的に超過することがあり、流動比率や手元流動性とあわせて判断する必要があります。第二に、この指標は貸借対照表の残高から資金調達構造を見るものであり、固定資産が実際に収益を生んでいるかは示しません。設備の稼働状況や減損の有無は、損益計算書や注記で別に確認することになります。

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