期待効用

相場心理
よみ:きたいこうよう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛
🗂 売買タイミングを考える ★★ 標準

「期待効用」とは

起こりうる結果それぞれの満足度に、その確率を掛けて合計した値です。金額ではなく満足度で選択を評価する考え方です。

📌 投資判断のポイント

結果ごとの満足度に確率を掛けて合計した値で、金額ではなく満足度で選択を評価します。満足の増え方が鈍る性質があるため、危険を避ける行動が合理的でありうると説明できます。

詳しい仕組み・意味

人は期待できる金額が大きいほうを必ず選ぶわけではありません。100万円を確実に受け取れる選択肢と、2分の1の確率で200万円を受け取れる選択肢は、期待される金額はどちらも100万円ですが、多くの人は確実なほうを選びます。この行動を説明するために、金額そのものではなく、金額から得られる満足度を用いるのが期待効用の考え方です。

満足度は増え方が次第に鈍っていくと仮定します。資産が100万円から200万円に増えたときの喜びと、1億円から1億100万円に増えたときの喜びは同じではありません。この性質を限界効用の逓減と呼び、これがあるために同じ期待金額でも、ばらつきの小さい選択肢のほうが期待効用は高くなります。危険を避ける行動が合理的でありうる理由がここにあります。

具体例・注意点

資産配分を考えるとき、期待リターンだけを比べても答えは出ません。ばらつきをどれだけ嫌うかによって、同じ人でも選ぶべき配分は変わります。

注意点は、この理論が現実の行動をすべて説明できるわけではないことです。損失を利益の2倍以上重く感じる傾向や、小さな確率を過大に評価する傾向は、期待効用の枠組みでは説明しきれず、損失回避の考え方が補っています。理論は判断の出発点であり、自分の実際の反応を確かめる作業は別に必要です。

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