「期待効用」とは
起こりうる結果それぞれの満足度に、その確率を掛けて合計した値です。金額ではなく満足度で選択を評価する考え方です。
📌 投資判断のポイント
結果ごとの満足度に確率を掛けて合計した値で、金額ではなく満足度で選択を評価します。満足の増え方が鈍る性質があるため、危険を避ける行動が合理的でありうると説明できます。
詳しい仕組み・意味
人は期待できる金額が大きいほうを必ず選ぶわけではありません。100万円を確実に受け取れる選択肢と、2分の1の確率で200万円を受け取れる選択肢は、期待される金額はどちらも100万円ですが、多くの人は確実なほうを選びます。この行動を説明するために、金額そのものではなく、金額から得られる満足度を用いるのが期待効用の考え方です。
満足度は増え方が次第に鈍っていくと仮定します。資産が100万円から200万円に増えたときの喜びと、1億円から1億100万円に増えたときの喜びは同じではありません。この性質を限界効用の逓減と呼び、これがあるために同じ期待金額でも、ばらつきの小さい選択肢のほうが期待効用は高くなります。危険を避ける行動が合理的でありうる理由がここにあります。
具体例・注意点
資産配分を考えるとき、期待リターンだけを比べても答えは出ません。ばらつきをどれだけ嫌うかによって、同じ人でも選ぶべき配分は変わります。
注意点は、この理論が現実の行動をすべて説明できるわけではないことです。損失を利益の2倍以上重く感じる傾向や、小さな確率を過大に評価する傾向は、期待効用の枠組みでは説明しきれず、損失回避の考え方が補っています。理論は判断の出発点であり、自分の実際の反応を確かめる作業は別に必要です。
関連用語
損失の痛みは利益の喜びの約2倍という心理の偏りが、損切りの遅れと利食いの早すぎを生む。感情で判断すると必ず利小損大になるため、買う前に損切り価格を数値で決めておくことが唯一の防御策になる。
経済的な体力と心理的な耐性の低いほうが実際のリスク許容度になる。許容度を超えたリスクを取ると暴落時に狼狽売りして回復を逃す。初心者は強気相場での自己申告が崩れやすいため、控えめに始めて実際の暴落で耐性を確かめるとよい。
不確実な結果と同じ満足を確実に得られる金額のことで、期待金額との差がリスクプレミアムになります。相場急落時は下がりやすく、資産配分を平時に決めておくべき根拠になります。
異なる資産に分散することでリスクを抑える手法。重要なのは数ではなく、相関の低さによるバランスである。
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