期待損失

リスク管理
よみ:きたいそんしつ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「期待損失」とは

貸出や債券投資で、平均的にどれだけ損失が出るかを見積もった金額。三つの要素の掛け算で表し、あらかじめ費用や金利に織り込んでおくべき部分を示す。

📌 投資判断のポイント

貸出や債券投資で平均的に生じる損失額を、デフォルト確率と損失率と与信残高の掛け算で見積もったものです。平均を超える振れは自己資本で備えるという役割分担があります。

詳しい仕組み・意味

期待損失は、デフォルト確率、デフォルト時損失率、デフォルト時のエクスポージャーの三つを掛けて求める。デフォルト確率は債務者が一定期間内に返済不能となる見込み、デフォルト時損失率は破綻したときに回収できずに失う割合、エクスポージャーは破綻時点で残っている与信額である。金融機関はこの金額を貸倒引当金として積み、貸出金利の中に信用コストとして上乗せする。一方、平均を超えて振れる部分は非期待損失と呼ばれ、こちらは引当ではなく自己資本で備えるという役割分担になっている。

具体例・注意点

与信残高100、デフォルト確率2%、デフォルト時損失率50%なら、期待損失は1である。この1は事故ではなく想定内のコストであり、金利に織り込まれていなければ、その貸出は最初から採算に合っていない。個人が事業に投資する場面でも、平均的に起こる損失は費用として先に見込み、想定を超える部分に備えて手元資金を厚くするという考え方は応用できる。三つの入力はいずれも見積りであり、景気後退局面ではデフォルト確率と損失率が同時に悪化しやすい点が、モデルの弱点として知られている。三つの入力の前提は定期的に見直され、その改定自体が引当額の増減として決算に表れる。

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