給与デジタル払い

制度・取引
よみ:きゅうよでじたるばらい
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「給与デジタル払い」とは

給与を銀行口座ではなく、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座で受け取る方法のことです。2023年4月1日の労働基準法施行規則の改正で認められました。

📌 投資判断のポイント

厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座で給与を受け取る方法。労使協定と本人の個別同意が要り、口座残高は100万円以下に保たれる。預金保険の対象ではない。

給与デジタル払いはどういう仕組み?

賃金は通貨で直接支払うのが原則で、口座振込はその例外として認められてきました。今回の改正はその例外に資金移動業者の口座を加えたものです。使うには、事業場で労使協定を結んだうえで、労働者ごとに個別の同意を取る必要があります。会社が一方的に決めることはできず、労働者が希望しなければ従来どおり銀行口座で受け取れます。受け取る口座には上限があり、残高は100万円以下に保たれる設計です。上限を超えた場合はすみやかに銀行口座へ移すなどの措置が取られます。指定を受けた資金移動業者は、令和8年7月1日時点で4社です。

給与デジタル払いの具体例と注意点は?

指定を受けていない事業者の口座やポイント、暗号資産での支払いは認められていません。給与の一部だけをデジタル払いにすることもでき、残りは銀行口座で受け取れます。同意はいつでも撤回できるため、使い勝手が合わなければ銀行振込に戻せます。指定を受けた事業者には、口座残高を現金に換える手段を用意すること、少なくとも毎月1回は手数料の負担なく払い出せるようにすること、不正な出金があった場合に損失を補償する仕組みを備えることなども求められています。同意書には受け取る金額や指定する口座を書く欄があり、口座番号の書き間違いは着金の遅れに直結するため、最初の1回はとくに確認が要ります。

出典: 厚生労働省「賃金のデジタル払いについて(労働者の方向け)」厚生労働省「資金移動業者の指定」

銀行振込との違い

銀行預金は預金保険の対象で、万一の破綻時に元本1,000万円とその利息までが保護されます。資金移動業者の口座は預金ではないため預金保険の対象外で、代わりに事業者が保証機関との契約などで残高全額の弁済を担保する仕組みが求められています。守り方の筋道が違う点を押さえておくと判断しやすくなります。

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