「包括利益」とは
純利益に、時価変動など損益計算書を通さない純資産の増減を加えた、その期の純資産変動額です。
📌 投資判断のポイント
包括利益が大きいことは本業の好調を意味しない。為替や時価の変動が主因なら翌期に逆振れしうるうえ、配当原資やEPSの計算に使われるのは純利益のままである点を取り違えやすい。
詳しい仕組み・意味
純利益は本業や財務活動の成果を表しますが、保有する有価証券の時価変動、海外子会社の換算差額、退職給付にかかる数理差異などは、売却や決済が済むまで純利益に反映されません。これらは「その他の包括利益」として純資産に直接計上され、純利益と合算したものが包括利益です。連結財務諸表では包括利益計算書として開示されます。株主の立場から見れば、その期に純資産がどれだけ増減したかを最も広く捉えた数字にあたります。
具体例・注意点
円安が進んだ期は、海外子会社の資産を円換算する際の為替換算調整勘定がプラスに振れ、純利益が横ばいでも包括利益が大きく膨らむことがあります。
注意点は、包括利益の大きさが本業の好調を意味しないことです。時価や為替の変動は翌期に逆方向へ振れる可能性があり、経営者が制御できる部分でもありません。配当の原資や1株当たり利益の計算に使われるのは依然として純利益です。両者の差が恒常的に大きい企業については、どの項目が差を生んでいるのかを注記で確認する価値があります。
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⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。