「CAPM(資本資産価格モデル)」とは
資産の期待リターンを「安全資産の利回り+市場リスクを取ったぶんの上乗せ」で説明するモデル。リスクとリターンの関係を式にした古典。
📌 投資判断のポイント
期待リターンを無リスク金利+ベータ×リスクプレミアムで説明するモデル。分散で消せる固有リスクには報酬が払われず、消せない市場リスクにのみ対価が支払われると示した点が核心で、分散投資の理論的裏づけになっている。
詳しい仕組み・意味
CAPMは1960年代にウィリアム・シャープらが提唱した理論で、ある資産に期待されるリターンを次のように捉える。
期待リターン = 無リスク金利 + ベータ ×(市場全体の期待リターン − 無リスク金利)
ここでの考え方の核心は、リスクを2種類に分けた点にある。
- 分散で消せるリスク(固有リスク):個別企業の不祥事など。分散投資すれば消えるため、市場はこれに対して追加のリターンを支払わない。
- 分散で消せないリスク(市場リスク):景気や金利など市場全体に及ぶ要因。逃げられないため、これを取ることに対してのみリスクプレミアムが支払われる。
この「消せるリスクは報われない」という主張こそ、分散投資が合理的である理論的な裏づけになっている。
具体例・注意点
ベータは市場全体に対する感応度を示し、1なら市場と同じ、1より大きければ市場より値動きが激しいことを意味する。CAPMは、値動きの大きい資産ほど高いリターンが期待される、という直感を式にしたものだ。
よくある誤解:CAPMは現実をきれいに説明できるわけではない。実証研究では、ベータだけでリターンの差を説明しきれないことが分かっており、規模(小型株)やバリューなど他の要因を加えたモデルへ発展した。それでもCAPMは「分散で消せるリスクは報われない」「リターンはリスクの対価である」という投資の基本原則を明快に示す枠組みとして、今なお学ぶ価値がある。
関連用語
個別銘柄ではなくポートフォリオ全体でリスクとリターンを捉え、相関の低い資産の組み合わせでリターンを落とさずリスクを下げられると示した理論。現代の資産運用の土台。ただし過去データ依存で危機時は相関が上昇し分散効果が弱まる限界がある。
同じリスクで最大のリターンが期待できる組み合わせを結んだ曲線。線より下は非効率で改善余地がある。日本株のみのポートフォリオは多くの場合この線より下にくる。過去の推定値で描くため将来の保証ではなく、分散の点検道具として使うのが現実的。
異なる資産に分散することでリスクを抑える手法。重要なのは数ではなく、相関の低さによるバランスである。
リスク資産に投資する際に上乗せされる期待収益。高リターンの裏には必ずリスクが存在する。
投資戦略 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。