「発行可能株式総数」とは
発行可能株式総数とは、株式会社が発行できる株式の数の上限で、会社の基本ルールである定款で定めます。会社は、この上限の範囲でしか新しい株式を発行できません。
📌 投資判断のポイント
株式会社が発行できる株式の数の上限で、定款で定める。公開会社が上限を増やすときは発行済株式総数の4倍までという決まりがある。
発行可能株式総数はどういう仕組み?
会社法では、発起人は会社が成立するまでに、定款で発行可能株式総数を定めなければならないとしています。株式を公開している会社では、設立のときに発行する株式の数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができません。設立後に定款を変えて発行可能株式総数の定めをなくすことはできず、減らすときも、その時点の発行済株式総数を下回ることはできません。また、株式を公開している会社が上限を増やすときは、その時点の発行済株式総数の4倍を超えることができません。これを「4倍ルール」と呼びます。
発行可能株式総数の具体例と注意点は?
例えば、発行済株式総数が2,500万株の公開会社では、発行可能株式総数を最大1億株まで増やせます。上限まで余裕があれば、会社は株主総会を開かずに、取締役会の決議で新しい株式を発行できる場合があります。注意したいのは、新しい株式が大量に発行されると、1株当たりの利益や議決権の割合が薄まることです。定款の変更で上限を大きく引き上げる議案が出たときは、株主として理由を確かめる価値があります。
発行可能株式総数と発行済株式総数の違い
発行可能株式総数は上限、発行済株式総数は実際に発行した数です。例えば上限が1億株で、発行済みが4,000万株なら、まだ6,000万株を発行できる余地があります。有価証券報告書の「株式等の状況」の欄に、両方の数字が載っています。2つを並べて見ることで、この先の株式の増え方の可能性を確かめることができます。
4倍ルールが置かれた理由
取締役会の判断だけで株式を大量に発行できると、もとからいる株主の持ち分の割合が大きく薄まってしまいます。上限を発行済株式総数の4倍までとしておけば、上限まで発行しても、もとの株主の持ち分の割合は最も小さくて4分の1、つまり25%までにとどまります。それを超えて株式を増やすには、株主総会で定款を変える必要があります。株主の利益を守りながら、会社が素早く資金を集められるようにするための折り合いの付け方といえます。
出典: e-Gov法令検索「会社法」
関連用語
会社が実際に発行している株式の数の合計で、自己株式も消却しない限り含む。時価総額の計算の土台になり、1株当たりの指標では自己株式を除いた数を使うのが一般的。
会社の基本ルールである定款の内容を変えること。原則として株主総会の特別決議が必要で、議案から会社の新しい方向や増資の準備がうかがえることがある。
特定の相手に新株を引き受けてもらう増資で、機動的に資金や提携を得られる反面、既存株主の持分とEPSが希薄化する。増資を一律に悪材料と見るのではなく、引受先・発行価格・資金使途まで確認して評価したい。
取締役の選任や配当、定款の変更などを株主が決める会社の最高意思決定機関。3月決算の会社は6月下旬に開くことが多く、出席しなくても議決権を事前に行使できる
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