「取得利回り(YOC)」とは
今の株価ではなく「自分が買った価格(取得価格)」を基準に計算した配当利回り。長期の配当投資で成果を測る指標。
📌 投資判断のポイント
自分の取得価格を基準に計算した配当利回り。増配が続く企業を長期保有すると、現在利回りは一定でも取得価格ベースの利回りはどんどん上がる。ただし過去にうまく仕込めた成果を示す指標で、新規売買の判断基準にはならない点に注意。
詳しい仕組み・意味
一般的な配当利回りは「1株あたり年間配当 ÷ 現在の株価」で計算し、今から買う人にとっての利回りを示す。これに対し取得利回り(Yield on Cost、YOC)は、分母を「自分が買った時の価格」にする。「1株あたり年間配当 ÷ 自分の取得価格」だ。
この指標が意味を持つのは、増配(配当の増加)が続く企業を長期保有した場合だ。
- 買った時の利回り:例えば取得時の配当利回りが3%だったとする。
- 増配で上がるYOC:その後、企業が毎年配当を増やしていくと、株価に対する利回り(現在利回り)は変わらなくても、当初の取得価格に対する利回り(YOC)はどんどん上がっていく。
- 長期保有の果実:10年、20年と増配が続けば、取得価格ベースでは非常に高い利回りになりうる。
「安く仕込んで長く持ち、増配を受け続ける」配当投資の醍醐味を数値化したものといえる。
具体例・注意点
取得価格1,000円・当初配当30円(YOC3%)の株が、増配を重ねて配当60円になれば、株価がいくらであろうとYOCは6%になる。長期の増配株投資では、この数字が投資の満足度を高めてくれる。
注意点:YOCは「過去にうまく仕込めた」ことを示す指標であり、これから買う人には関係がない点に注意が要る。高いYOCに満足して、割高になった株を持ち続けたり、YOCを新規投資の判断基準にしたりするのは誤りだ。新しく買うかどうかは、あくまで現在利回りや将来の増配余地、株価の妥当性で判断すべきだ。YOCは保有の成果を味わう指標であって、売買判断の物差しではないと割り切ることが大切だ。
関連用語
株価に対してどれだけ配当を受け取れるかを示す指標。インカム投資の基本だが、高すぎる利回りはリスクのサインでもある。
企業の利益を株主に分配するインカムゲインの代表。配当利回り3〜5%台が日本の高配当株の目安。NISAを使えば配当も非課税になり、再投資による複利効果も狙える。
受け取った配当を使わず同じ資産へ再投資し、複利の連鎖で口数を雪だるま式に増やす基本動作。長期の株式リターンの大きな部分を占める。課税口座では税引き後しか再投資できないため、NISAや再投資型ファンドで非課税・自動化すると効率が最大化する。
元本だけでなく発生した利益も再投資することで指数関数的に資産が増える仕組み。年利5%・30年で単利の1.7倍超の資産に。「72の法則」で2倍になる年数を即算できる。
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