「交易利得」とは
輸出品と輸入品の価格の関係が変わることで、国内で生産した量は同じでも購買力が増減する分を表した金額です。
📌 投資判断のポイント
輸出入の価格関係の変化によって生じる購買力の増減を金額で表したものです。実質GDPに加減すると実質国内総所得になり、資源高や円安の局面では実感との乖離を説明します。
詳しい仕組み・意味
実質GDPは国内で生み出された財やサービスの数量を表しますが、その所得で海外から何をどれだけ買えるかまでは示しません。輸入価格が輸出価格より大きく上がると、同じ量を輸出しても輸入できる量が減り、実質的な購買力は目減りします。この目減り分をマイナスの交易利得、すなわち交易損失として実質GDPに加減した指標が実質国内総所得です。国民経済計算の体系のなかで正式に推計・公表されている系列で、内閣府の四半期別GDP速報でも確認できます。原油や穀物といった輸入価格の変動が大きい局面では、実質GDPが伸びていても交易損失が拡大し、国内の実感が伴わないという食い違いが生じます。
具体例・注意点
資源価格が上昇し円安が重なる局面では、交易損失が膨らみやすくなります。景気の実感を確かめたいときは、実質GDPの成長率だけでなく、交易利得を加味した実質国内総所得の動きを併せて見ると理解が進みます。交易条件が改善に転じれば、生産量が変わらなくても購買力の側が回復する点も押さえておきたいところです。輸出産業の企業収益と、輸入に頼る家計の負担が逆方向に動くため、平均値だけでは分布が見えないことにも留意します。円建てで見た輸入価格が下がる局面では、逆に交易利得がプラスに寄与します。
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