「TORF(東京ターム物リスク・フリー・レート)」とは
無担保コール翌日物金利(TONA)を対象とするデリバティブ取引のデータから算出される、1か月・3か月・6か月の円の金利指標。金利の適用期間が始まる時点で金利が決まる「前決め」の指標で、公表が停止された円LIBORの代わりとして使われている。QUICKベンチマークスが算出・公表している。
📌 投資判断のポイント
無担保コール翌日物金利(TONA)のスワップ取引から算出される、1か月・3か月・6か月の円の金利指標。期間の初めに金利が決まる前決め型で、円LIBORの後継の一つとして使われる。
TORFはどういう仕組み?
円LIBORは、銀行が申告する調達金利をもとにした金利指標で、融資やデリバティブの基準として広く使われてきた。しかし海外で不正操作の問題が起き、2021年12月末に公表が停止された。
代わりの指標の基本となったのが、実際の取引にもとづく翌日物金利のTONAである。ただしTONAは1日ごとの金利なので、3か月分の利息を計算するには、期間が終わるまで実際の金利の積み上げを待つ「後決め」になる。
TORFは、TONAを参照する金利スワップ(OIS)の市場で、今後の一定期間のTONAがどう推移すると見込まれているかを読み取り、その期間の金利として示す。期間の初めに金利が分かるため、従来の融資の事務や取引の慣行と相性がよい。
TORFの具体例と注意点は?
QUICKベンチマークスは、確定値の公表を2021年4月26日に始めた。期間は1か月・3か月・6か月の3種類で、営業日ごとに公表される。日本銀行が事務局を務めた「日本円金利指標に関する検討委員会」が、円LIBORからの移行で使う指標の一つとして位置づけてきた。
たとえば企業向けの変動金利の融資で、「3か月TORF+1.0%」のように金利を決めると、3か月ごとの期間の初めに、その期間の適用金利が確定する。
注意点は、TORFはデリバティブの取引データにもとづく見込みの金利であり、金融機関の信用リスクを含まないことである。そのため、銀行の調達コストを反映するTIBORとは水準が異なる。
TIBORとの違い
TIBOR(東京銀行間取引金利)は、参照銀行が提示する銀行間の取引金利をもとにした指標で、銀行の信用リスクを含む。
TORFは、翌日物の無担保コール金利の見込みから作られ、信用リスクをほとんど含まない「リスク・フリー・レート」である。どちらも前決めで使えるが、上乗せされる金利の考え方が異なる。
関連用語
金融機関が担保なしで翌日返しの資金を融通する際の金利で、日本銀行の誘導目標として使われます。住宅ローンの変動金利などに時間差で波及します。
全銀協が毎営業日公表する銀行間取引の指標金利で、企業向け貸出や変動金利ローンの参照に使われる。ユーロ円TIBORは2024年12月末で公表が停止され、現在は日本円TIBORのみ。
SOFRは、米国短期金融市場の基準金利。米国債を担保にした取引の実勢から算出され、LIBORの後継として広く使われる。
長期金利は将来の短期金利予想だけでなく、長期債を持つ不確実性への上乗せ利回りでも動く。タームプレミアムの拡大は、債券市場がリスクを強く意識しているサインになる。
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