後発事象

企業分析
よみ:こうはつじしょう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「後発事象」とは

決算日の後から財務諸表を公表するまでの間に起きた、会社の財政状態や業績に影響する出来事のことです。

📌 投資判断のポイント

決算日の後から公表までに起きた重要な出来事。決算日の状況が後で分かったものは数字を修正し、決算日後に新たに生じたものは注記で開示する。有価証券報告書の「重要な後発事象」で確かめる。

後発事象はどういう仕組み?

決算の数字は決算日時点のものですが、公表までには1〜3か月ほどかかります。その間に起きた出来事のうち重要なものは、後発事象として扱われます。

後発事象は2種類に分かれます。一つは修正後発事象で、決算日にすでに存在していた状況が後から明らかになったものです。財務諸表の数字そのものを修正します。決算日後に取引先が破綻し、決算日時点で回収が危うかったと分かった売掛金などが当たります。

もう一つは開示後発事象で、決算日後に新たに生じた出来事です。数字は直さず、注記で内容と影響額を開示します。決算日の時点では存在しなかった出来事を、決算日の数字に混ぜないための区別です。

後発事象の具体例と注意点は?

開示後発事象の例は、大規模な災害による工場の被害、多額の借入や社債の発行、企業の買収、事業の売却、自己株式の取得、株式分割の決議などです。数字には反映されていないため、損益計算書だけを見ていると見落とします。

たとえば3月末が決算日の会社が、5月に負債を含めて500億円規模の買収を決めた場合、3月末の貸借対照表には何も表れません。有利子負債や、のれんの額が翌期に大きく変わることは、後発事象の注記を読んで初めて分かります。

確かめ方

有価証券報告書の財務諸表の末尾にある「重要な後発事象」の注記を読みます。3月決算の会社なら、4月から6月の株主総会前後までの出来事がここに書かれます。決算短信の段階では記載が簡略なことが多いため、有価証券報告書で詳細を補います。

記載がある場合は、その出来事が翌期の業績予想に織り込まれているかを決算短信とあわせて確かめます。織り込まれていなければ、後から業績予想の修正が出る可能性があります。

監査法人は、決算日から監査報告書の日付までに起きた後発事象について、会社が適切に処理・開示しているかを確かめます。監査報告書の日付より後に起きた出来事は、有価証券報告書の訂正や臨時報告書で別に開示されることがあります。後発事象の開示は、決算日の数字と今の会社の姿との差を埋める役割を持っています。

四半期ごとの決算でも同じ考え方で、半期報告書などに重要な後発事象が注記されます。

関連用語

企業分析 の他の用語

🏷 関連タグ

財務諸表 注記 決算

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る