「ローリングリターン」とは
開始時点を少しずつずらしながら同じ長さの期間のリターンを繰り返し計算し、結果のばらつきを見る方法です。
📌 投資判断のポイント
起点をずらして何百通りものリターンを計算し、ばらつきとして示す方法です。都合のよい期間を切り取った数字に惑わされずに済みますが、対象期間に何が含まれるかで結果は変わります。
詳しい仕組み・意味
過去十年の年率リターンという表現は、いつからいつまでの十年かによって大きく変わります。運用の宣伝では都合のよい起点が選ばれがちで、受け手はそれを見分けられません。ローリングリターンは、たとえば一か月ずつ起点をずらして十年間の年率リターンを何百通りも計算し、その最小値、最大値、中央値、あるいはマイナスになった割合を示します。これにより、特定の起点に依存しない姿が見えます。保有期間を一年、五年、十年と変えて同じ計算を並べると、期間を延ばすほど最小値が持ち上がっていく様子も確認できます。長期投資の説明で、保有期間を延ばすと元本割れの頻度が下がると述べる際の根拠になるのがこの形です。
具体例・注意点
計算できるのは過去のデータがある範囲に限られるため、対象期間にどんな相場局面が含まれているかで結果が変わります。歴史の短い資産では区間が重なり合い、見かけの標本数ほど独立した情報はありません。将来の分布を保証するものでもありません。過去の一点を示す数字より誠実ですが、それでも過去の記録であることに変わりはない点を踏まえて使ってください。運用会社の資料でこの形の図が載っていれば、起点の選び方で見せ方を操作していないことの一つの手がかりになります。逆に、特定の一区間だけを強調した資料に出会ったときは、別の起点ならどうなるかを問う姿勢が要ります。
関連用語
最大ドローダウンは戦略の「最悪の下落」を示す。自分のリスク許容度と照合してMDDが許容範囲内かを確認し、リターンとのトレードオフを評価することが、長期運用を継続できる戦略選択の基本となる。
ソルティノレシオはシャープレシオより下落リスクに焦点を当てた精度の高い評価指標。上振れの多い戦略の真のリスク調整済みリターンを正確に測るため、シャープレシオと組み合わせて使うことで投資判断の精度が高まる。
指数が下げた局面でファンドが下落を何割取り込んだかを示し、百未満なら下げに強かったことを意味します。上昇局面の数値と並べないと、単に慎重なだけの商品と区別できません。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。