「譲渡制限付株式」とは
一定期間は売ったり譲ったりできないという条件を付けて、企業が役員や従業員に報酬として交付する株式。英語の頭文字からRS(リストリクテッド・ストック)とも呼ばれる。勤務を続けることや業績目標の達成を条件に、期間が終わると制限が解除される。
📌 投資判断のポイント
一定期間は売れない条件を付けて、企業が役員や従業員に報酬として交付する株式。勤務の継続などで制限が解け、株価が上がるほど報酬の価値も上がるため、株主と利害がそろう。
譲渡制限付株式はどういう仕組み?
日本では、2016年度の税制改正などで制度が整い、上場企業で広く導入されるようになった。代表的な仕組みは、企業が役員に金銭報酬の債権を与え、役員がその債権を現物出資する形で株式を受け取るものである。
譲渡制限の期間は3年程度から退任時までなど、企業ごとに定める。期間中に自己都合で退職した場合や、不正があった場合には、企業が株式を無償で取得する(取り戻す)条件が付くのが一般的である。
受け取る側は、株価が上がるほど報酬の価値も上がるため、株主と同じ方向を向いて経営に取り組む動機になる。企業側も、現金を使わずに人材をつなぎとめる手段として使う。
譲渡制限付株式の具体例と注意点は?
ある企業が役員に、交付時の株価1,000円で1万株(1,000万円相当)の譲渡制限付株式を交付し、制限期間を3年としたとする。3年後に株価が1,300円になって制限が解除されれば、1,300万円相当の株式を自由に売れるようになる。
役員個人の課税は、原則として交付時ではなく制限が解除された日の株価で計算され、給与所得などとして扱われる。株価が上がると税額も増える。
投資家の立場では、新株の発行で交付される場合はわずかに希薄化が生じる。一方で、経営陣が株主と利害を共有している指標として、報酬の構成比を確かめる材料にもなる。
ストックオプションとの違い
ストックオプション(新株予約権)は、決められた価格で株式を買う「権利」を与える。株価が権利行使価格を下回れば価値はゼロで、受け取る側に損失はない。
譲渡制限付株式は株式そのものを与える。株価が下がっても価値はゼロにならない代わりに、株価が下がれば保有する株式の価値も減る。報酬が株価の下落からも影響を受ける点で、株主に近い立場になる。
似た仕組みに、業績目標の達成度に応じて交付する株数が変わる「パフォーマンス・シェア」や、一定期間後に株式を交付することを約束する「リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)」がある。いずれも株価と報酬を結びつける点は同じだが、株式を渡すタイミングと条件が異なる。
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