回収可能価額

企業分析
よみ:かいしゅうかのうかがく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「回収可能価額」とは

減損会計で、資産からこの先回収できると見込まれる金額。売却して得られる金額(正味売却価額)と、使い続けて得られる将来キャッシュフローの現在価値(使用価値)のうち、高いほうをとる。

📌 投資判断のポイント

減損会計で、資産から回収できると見込まれる金額。正味売却価額と使用価値のうち高いほうをとり、帳簿価額との差額を減損損失として計上する。

回収可能価額はどういう仕組み?

工場や店舗、のれんなどの固定資産は、取得したときの帳簿価額から減価償却して計上されている。収益性が落ちて帳簿価額を回収できない状態になったとき、帳簿価額を回収可能価額まで引き下げ、その差額を減損損失として計上するのが減損会計である。

日本の固定資産の減損に係る会計基準では、手順が3段階に分かれる。まず営業損益が継続してマイナスになっているなどの減損の兆候を確かめ、次に割引前の将来キャッシュフローの総額が帳簿価額を下回るかで減損を認識するかを判定し、認識する場合に帳簿価額を回収可能価額まで減額する。割引前将来キャッシュフローを見積もる期間は、資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短いほうとされる。

回収可能価額の具体例と注意点は?

帳簿価額50億円の工場について、売却すれば手数料を差し引いて18億円(正味売却価額)、使い続ければ将来キャッシュフローの現在価値が22億円(使用価値)と見積もられた場合、回収可能価額は高いほうの22億円で、減損損失は28億円になる。

使用価値は将来の収益見通しと割引率で大きく変わるため、経営者の見積もりが入る余地が大きい。減損損失の計上時期や金額は、決算短信や有価証券報告書の注記で、どの資産グループに、どの前提で計上したかを確かめたい。

帳簿価額・時価との違い

帳簿価額は取得原価から減価償却を引いた会計上の金額、時価は市場で取引される金額である。回収可能価額はそのどちらでもなく、売る場合と使い続ける場合を比べて、その会社にとって高いほうの回収額をとる。国際財務報告基準(IFRS)でも同じ考え方だが、日本基準と違って割引前キャッシュフローによる認識の段階がなく、のれん以外は減損の戻し入れも認められる。

減損損失は特別損失として計上されることが多く、純利益を大きく押し下げるが、現金が出ていくわけではない。ただ、回収可能価額が帳簿価額を下回ったということは、その資産が当初の見込みどおりに稼げていないことを会社自身が認めたことを意味する。減損の規模が大きいときは、事業計画や設備投資の判断がどう変わるかを、経営者の説明で確かめたい。

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