「流動性供給入札」とは
市場で品薄になっている既発の国債を、財務省が追加で発行して供給する入札のこと。
📌 投資判断のポイント
品薄になった既発国債を同じ条件で追加発行し、市場の流動性を保つための入札。残存5年から15.5年のゾーンは毎月、他のゾーンは隔月で実施されている。
流動性供給入札はどういう仕組み?
国債は新しい銘柄ほど売買が活発で、発行から時間がたった銘柄は取引が細りやすい。特定の銘柄だけが手当てしにくくなると、その銘柄の価格だけが実勢から離れ、イールドカーブがゆがむ。流動性供給入札は、こうした銘柄を対象に既発債と同じ条件で追加発行し、市場に供給する仕組みである。財務省は入札予定日の通常1週間前に、入札予定日、発行予定日、発行対象予定銘柄、発行予定額を公表する。応札の受付は10時30分から11時50分までで、入札結果は12時35分に発表される。落札は投資家が応札した価格で購入するコンベンショナル方式による。
流動性供給入札の具体例と注意点は?
対象は残存期間のゾーンごとに分かれており、残存5年から15.5年のゾーンは毎月、残存1年から5年と15.5年から39年のゾーンは隔月で実施されている。残存1年から5年のゾーンは2016年に、流動性の維持・向上を図る目的で新たに追加された。新規に発行される銘柄とは異なり、既発債と同一の利率・償還日で発行されるため、発行後は元の銘柄と一体で流通する。
対象銘柄は発行から一定期間が経過した既発債の中から選ばれ、入札に参加できるのは国債市場特別参加者などに限られる。個人が直接応札する場ではないが、入札の結果は財務省のサイトで誰でも確認できる。
通常の利付国債入札との違い
通常の入札は新しい回号の国債を発行して資金を調達する場であり、発行額は当初の発行計画に沿って決まる。流動性供給入札は資金調達そのものより、市場機能の維持を目的とする点が異なる。したがって結果を読むときも、金利水準の手がかりというより、どのゾーンで需給が締まっているかを確かめる材料として使うのが実務的である。
応募額を募入決定額で割った倍率が低いときは、その残存ゾーンに買い手がつきにくくなっている合図になる。逆に高い倍率が続くゾーンは、品薄が解消していないと読める。国債は2年から40年まで年限が並んでいるため、どの年限で需給が締まっているかを見ると、イールドカーブの形が変わった背景をたどりやすい。
出典: 財務省「流動性供給入札入門」
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