「負債対応投資」とは
将来支払う義務のある金額と時期に合わせて資産を組み立てる運用手法です。年金基金や保険会社で使われ、英語の頭文字からLDIとも呼ばれます。
📌 投資判断のポイント
将来支払う金額と時期に合わせて資産を組む手法です。個人でも、使う時期が決まっているお金だけ期日の合う預金や国債で持つ、という形で応用できます。
詳しい仕組み・意味
通常の運用は「どれだけ増やせたか」を物差しにしますが、負債対応投資では「支払うべき金額をきちんと払えるか」を物差しにします。確定給付企業年金であれば、将来の給付額とその支払時期があらかじめ決まっているため、これを負債と捉え、金利が動いたときに資産と負債が同じ方向に同じだけ動くように債券のデュレーションを合わせます。市場全体が上がったのに自分の資産が上がらなければ通常の運用では失敗ですが、負債も同じだけ減っていれば負債対応投資では成功です。評価の物差しそのものが違います。
具体例・注意点
個人にも応用できる考え方です。3年後に必要な教育資金は、値動きの大きい株式ではなく、期日の合う預金や個人向け国債で持つ。老後の生活費のうち公的年金で足りない部分は、その不足額に見合う分だけを取り崩し前提の資産で用意する。こうして使う時期から逆算して置き場所を決めると、相場の上下に一喜一憂しにくくなります。全額を負債対応にすると増える機会を失うため、使途と時期が確定している部分に限って適用するのが実務的です。企業年金の世界では、積立不足の解消を目的に、金利の変動で資産と負債が同じように動く組み合わせをつくります。個人の場合は完璧に一致させる必要はなく、使う時期が近いお金ほど値動きを抑える、という程度の当てはめで十分に役立ちます。
関連用語
デュレーションマッチングは金利変動リスクを免疫化するALMの基本手法。年金・保険の資産運用の基礎だが、2022年英国LDI危機が示すように流動性リスクの管理が不可欠であることを理解したうえで活用することが重要だ。
投資の長期リターンの大半は銘柄選択ではなくアセットアロケーションで決まる。株式・債券・不動産・現金などを相関の低い組み合わせで保有することがリスク分散の本質。年1〜2回のリバランスで崩れた配分を戻す作業とセットで運用する。
国や企業にお金を貸し、利息と元本返済を受ける投資商品。安定収益が特徴だが、金利や信用リスクの影響を受ける。
いつどんな条件で売却や取り崩しを行うかを、保有する前に決めておく方針です。出口を相手の口約束に委ねる投資は、履行されなければ換金できない資産が残ります。
投資戦略 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。