「リース負債」とは
リース契約で将来払うリース料を、現在の価値に直して負債として計上したもの。国際会計基準(IFRS)では、ほぼすべてのリースが対象になる。
📌 投資判断のポイント
借りている店舗やオフィスの支払い義務を、借入金と同じように負債として見せる考え方。基準の切り替えで負債が増えて見えるため、年をまたいで比べるときは表示の変更を確かめたい。
リース負債はどういう仕組み?
IFRS第16号では、借り手は短期や少額のものを除き、リース契約を結ぶと「使用権資産」を資産に、将来のリース料の支払い義務を「リース負債」として負債に計上する。以前は、所有に近いリースだけを貸借の表に載せ、それ以外は毎期の支払いを費用にするだけだった。そのため、店舗やオフィス、航空機を借りて事業をする会社は、実際には長い支払い義務を負っていても負債が小さく見えていた。日本でも企業会計基準委員会が2024年9月に新しいリース会計基準を公表し、2027年4月1日以後に始まる事業年度から原則として同じ考え方が取り入れられる(早期適用も認められている)。
リース負債の具体例と注意点は?
店舗を多く借りている小売業や飲食業では、新しい基準の適用で負債と資産が同時にふくらみ、自己資本比率が下がって見えることがある。会社の中身が変わったわけではなく、表示の仕方が変わった結果である。比べるときは、どの基準で作られた決算書か、リース負債を借入金と同じように有利子負債に含めて考えるかをそろえる必要がある。損益では、支払リース料の代わりに減価償却費と利息が計上されるため、営業利益が見かけ上増えることにも注意したい。
リース負債と借入金の違い
借入金は銀行などからお金を借りて返す約束で、リース負債はモノを使う権利の代金を分割で払う約束である。形は違っても、将来お金を払い続ける義務という点では同じなので、新しい基準ではどちらも負債として扱う。会社によっては、有利子負債の比率を計算するときにリース負債を含めるかどうかを開示している。
決算書での読み方
例えば年間1億円の家賃を10年契約で払う店舗なら、新しい基準のもとでは、将来の支払いを現在の価値に直した数億円がリース負債として計上される。基準を切り替えた年は負債が急増して見えるが、契約そのものは変わっていない。前年と比べるときは、会計方針の変更の注記を確かめておきたい。
なお、契約期間が12か月以内の短期リースや、パソコンのような少額の資産のリースは、従来どおり支払いを費用にする扱いが認められている。すべての借りものが負債になるわけではない点も覚えておきたい。
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