キーマンリスク

リスク管理
よみ:きーまんりすく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「キーマンリスク」とは

特定の経営者や社員に事業が大きく依存していて、その人が抜けたときに業績や運営が揺らぐリスクのことです。

📌 投資判断のポイント

特定の経営者や社員に事業が依存し、その人が抜けると業績が揺らぐリスク。有価証券報告書の事業等のリスクや役員の状況で、後継者の有無や権限の集中度を確かめる。

キーマンリスクはどういう仕組み?

創業者の人脈や判断に頼る会社、1人の技術者しか扱えない製品を持つ会社、少数の運用担当者が成績を支える投資信託などで生じます。退任、病気、引き抜き、死亡が引き金になります。

会社は、有価証券報告書の「事業等のリスク」に、特定の人物への依存を記載することがあります。対策としては、後継者の育成、業務の文書化、権限の分散、経営者を被保険者とする保険などがあります。

キーマンリスクは、中小企業の事業承継でも中心的な論点です。社長が営業・技術・資金繰りのすべてを1人で担っている会社では、社長の引退がそのまま事業の継続の危機になります。取引先の銀行が融資の判断で経営者の年齢や後継者の有無を確かめるのも、このリスクを見ているためです。

キーマンリスクの具体例と注意点は?

売上の3割を1人の営業担当者が抱える顧客に頼っている会社では、その人が退職して顧客ごと移れば、売上が一度に3割減る可能性があります。上場直後の新興企業では、代表者が発行済株式の過半を持ち、事業の判断もほぼ1人で行っている例も珍しくありません。

創業者が退任を発表した日に株価が大きく下がることがあるのは、市場がキーマンリスクを株価に織り込んでいたことの表れです。反対に、後継体制が整っていることが示されると、不確実性が減って評価が上がることもあります。

投資家の見方

有価証券報告書の「事業等のリスク」と役員の状況を読み、代表者の年齢、在任期間、後継者の有無を確かめます。取締役会に社外取締役がどれだけいるか、代表者以外に事業を説明できる役員がいるかも手がかりになります。

投資信託では、運用担当者が交代した後に運用方針や成績が変わっていないかを運用報告書で確認します。1人の力に頼る強みは、そのままリスクの裏返しになります。

会社側の備えとしては、経営者に万一のことがあった場合に会社が保険金を受け取る法人向けの生命保険がよく使われます。受け取った保険金は、後任を探す間の資金繰りや借入の返済に充てられます。ただし保険で埋められるのはお金の穴だけで、人脈や技術の空白までは埋まりません。

代表者の交代が予定されている場合は、その発表から実際の交代までの期間も確かめておきます。

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