「貸借倍率」とは
日本証券金融(日証金)が公表する貸借取引の残高をもとに、融資残高(買い方への資金の貸付け)を貸株残高(売り方への株の貸付け)で割って求める倍率。1倍を下回ると、株を借りたい売り方の需要が大きいことを示す。
📌 投資判断のポイント
日証金の貸借取引における融資残高を貸株残高で割った倍率。1倍を割ると株不足になりやすく逆日歩の目安になるが、一般信用や証券会社内の相殺分は含まれない。
貸借倍率はどういう仕組み?
制度信用取引で証券会社が自社内で資金や株を用意しきれないとき、証券金融会社から資金や株を借りる。これが貸借取引で、その残高は日証金が銘柄ごとに営業日ベースで公表している。
貸借倍率は「融資残高÷貸株残高」で計算する。例えば融資残高が60万株、貸株残高が40万株なら1.5倍になる。貸株残高が融資残高を上回って株が不足すると、日証金が機関投資家などから株を調達し、その費用が品貸料として売り方に課される。これが逆日歩である。
貸借倍率の具体例と注意点は?
貸借倍率が1倍を割り込んだ銘柄は逆日歩が発生しやすく、売り方の買戻しで株価が急騰する踏み上げが起こりやすいとされる。ただし実際に逆日歩がつくかは、差し引きの株不足の規模と品貸の入札の結果で決まる。
また、貸借取引は信用取引の一部しか映さない。証券会社の中で買いと売りを相殺できた分や、一般信用取引の分は含まれないため、市場全体の信用取引の姿とは一致しない。倍率だけでなく、融資残高と貸株残高それぞれの増減も見たほうが需給の実態をつかみやすい。
信用倍率との違い
信用倍率は、取引所が週に1回公表する信用取引の買い残を売り残で割った数値で、制度信用と一般信用の両方を含む。貸借倍率は証券金融会社を経由した分だけを見るが、公表の頻度が高く、需給の変化を早く確かめられる。両者の水準が大きく違うときは、証券会社内での相殺や一般信用の比重が影響していることが多い。
貸借取引を利用できるのは、取引所が選定した制度信用銘柄のうち、証券金融会社が貸借銘柄として選んだ銘柄に限られる。貸借銘柄でない銘柄は制度信用で売ることができず、貸借倍率もそもそも算出されない。
需給を読む材料としては、倍率の水準そのものより変化の方向が役に立つ。倍率が急低下して株不足が続いている銘柄は、日証金が注意喚起や増担保などの措置をとることもあり、売り方の新規の売りが難しくなる。こうした措置の有無もあわせて確認すると、急な値動きの背景を読み解きやすい。
関連用語
信用倍率は信用取引の買いと売りの偏りを見る指標。需給分析で使われる。
逆日歩は株不足時に売り方が払う追加コスト。優待クロスでも重要な注意点。
取引所のルールに沿った信用取引で、返済期限は最長6か月、対象は制度信用銘柄に限られる。金利は低めだが、売り建てには逆日歩が発生することがあり、金額は事前にわからない。期限が来れば含み損でも決済が必要になる。
株価の下落で利益を狙う取引で、借りた株を売って後で買い戻す仕組み。上昇時の損失は大きくなるため、高リスクな手法。
借入によって資金以上の取引ができる仕組みで、利益も損失も拡大する。レバレッジ効果により高リスクとなるため慎重な管理が必要。
株式投資 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。