ヒストリカル・ボラティリティ

リスク管理
よみ:ひすとりかるぼらてぃりてぃ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「ヒストリカル・ボラティリティ」とは

ヒストリカル・ボラティリティは、過去の一定期間の実際の値動きから計算した、価格変動の大きさを示す指標である。歴史的変動率とも呼ばれ、HVと略されることもある。

📌 投資判断のポイント

過去の実際の値動きから計算した価格変動の大きさ。日次収益率の標準偏差を年率に直して使う実績値で、市場の予想を示すインプライド・ボラティリティと対になる。

ヒストリカル・ボラティリティはどういう仕組み?

日々の収益率(一般に前日比の対数をとった値)の標準偏差を求め、年率に直して使う。年率化は、日次の標準偏差に年間の営業日数の平方根(250日なら約15.8)を掛けて行う。計算期間は20日、60日、1年などがよく使われ、期間を短くすると最近の値動きに敏感に、長くすると安定した値になる。数値が大きいほど、値動きが荒い資産だったことを示す。

計算期間の選び方で数値は大きく変わる。急落が起きた直後の20日ヒストリカル・ボラティリティは高く跳ね上がるが、1年で計算すると上昇は緩やかになる。資産配分を決めるときのリスクの目安としては、数年分の月次データから求めた値を使うことも多い。オプションの価格を評価する場面では、この値と市場の予想値を比べて割高・割安を判断する。

ヒストリカル・ボラティリティの具体例と注意点は?

ある株価指数の日次の標準偏差が1%なら、年率のヒストリカル・ボラティリティは約15.8%になる。これは、正規分布を仮定すると、1年後の価格がおよそ3分の2の確率で上下15.8%の範囲に収まることを意味する。ただし実際の相場は急落が正規分布の想定より起きやすく、過去の値が将来の変動を保証するものではない。落ち着いた相場が続いた後は低い値が出やすく、リスクを過小評価しやすい点に注意が要る。

インプライド・ボラティリティとの違い

ヒストリカル・ボラティリティは「すでに起きた値動き」から計算する実績値である。インプライド・ボラティリティは、オプションの市場価格から逆算した「市場が予想する今後の値動き」だ。両者の差は、市場が将来を過去より荒れると見ているか、落ち着くと見ているかを読む材料になる。

ヒストリカル・ボラティリティが高い時期にはインプライド・ボラティリティも高くなりやすいが、急落の直後などは市場の予想が実績を大きく上回ることも多い。逆に、落ち着いた相場で予想が実績を下回るときは、将来の変動が小さく見積もられている可能性がある。どちらも年率の%で表されるため、同じ物差しで並べて比べられる。計算に使った期間をそろえて比べることが前提になる。

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