ギャップリスク

リスク管理
よみ:ぎゃっぷりすく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「ギャップリスク」とは

相場が連続的に動かず、ある価格から別の価格へ一気に飛ぶ(ギャップが生じる)ことで、想定していた価格で売買できずに損失が膨らむリスクのことです。

📌 投資判断のポイント

価格が連続して動かずに飛ぶことで、逆指値や強制決済が想定の価格で執行されないリスク。週末をまたぐ保有や決算発表のときに起きやすい。証拠金取引では入金額を超える損失につながることがある。

ギャップリスクはどういう仕組み?

逆指値注文は、たとえば「1,000円まで下がったら売る」という条件で損失を限定する方法です。ところが、前日の終値1,050円から翌朝いきなり900円で取引が始まれば、1,000円で売ることはできません。売りの注文は900円前後で執行され、想定より大きな損失になります。

ギャップが生じやすいのは、取引所が閉まっている間に大きな材料が出たときです。週末をまたいだ保有、決算発表、金融政策の決定、政治的な出来事などがきっかけになります。24時間動く外国為替市場でも、週明けの取引開始時や、流動性が極端に薄くなった場面では同じことが起きます。

ギャップリスクの具体例と注意点は?

2015年1月15日、スイス国立銀行は、1ユーロ=1.20スイス・フランを上限とする為替の上限政策を予告なく撤廃しました。スイス・フランは短時間で急騰し、多くのFX業者でロスカット(強制決済)が想定の価格で執行できず、顧客の口座残高がマイナスになりました。証拠金取引では、このように預けた証拠金を超える損失が生じ、不足分を追加で入金しなければならないことがあります。

ギャップリスクは逆指値の設定だけでは消せません。対策としては、証拠金に対する取引の倍率を抑える、大きな発表をまたいで保有しない、オプションの買いなど損失の上限が契約で決まる手段を使う、といった方法が挙げられます。

国内のFX業者では、この事件の後、ロスカットの仕組みや、急変時にスプレッドが広がる可能性についての説明が見直されました。個人の取引でも、取引口座に入れた証拠金が最大の損失とは限らないことを、取引を始める前に理解しておく必要があります。株式の信用取引でも、同じ理由で委託保証金を超える損失が生じることがあります。

スリッページとの違い

スリッページは、注文を出した価格と実際に執行された価格の小さなずれを指し、流動性の薄さや注文の集中で日常的に起きます。ギャップリスクは価格そのものが飛ぶことで生じ、ずれの幅がはるかに大きくなる点が違います。前者は取引コストの一部として見積もれますが、後者は想定外の大損につながる、性質の異なるリスクです。

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