変動予算

企業分析
よみ:へんどうよさん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「変動予算」とは

変動予算とは、実際に作った数や売った数に合わせて、費用の予算を組み直したものです。最初に決めた数のまま動かさない予算を「固定予算」と呼び、それと対比されます。

📌 投資判断のポイント

実際の生産量や販売量に合わせて費用の予算を組み直したもの。数量の違いによる影響を除き、費用の使い方そのものの良し悪しを評価できる。

変動予算はどういう仕組み?

費用には、作る数に比例して増える変動費(材料費など)と、数にかかわらずかかる固定費(家賃など)があります。予定より作る数が少なければ、変動費は少なくて当然です。それなのに実際の費用を最初の予算と比べると、節約していなくても「費用を抑えた」ように見えてしまいます。変動予算では「1個あたりの変動費×実際の数量+固定費」で、実際の数量なら本来いくらかかるはずだったかを計算し直します。これと実績を比べることで、数量の違いによる影響と、費用の使い方そのものの良し悪しを分けて見ることができます。

変動予算の具体例と注意点は?

変動費が1個600円、固定費が月200万円の工場で、1万個作る予定を立てたとします。固定予算は600円×1万個+200万円=800万円です。実際は8,000個しか作らず、費用は700万円でした。固定予算と比べると100万円少なく、成績がよく見えます。ところが変動予算は600円×8,000個+200万円=680万円なので、実際はそれより20万円多く使っていたことになります。

固定予算との違い

固定予算は、計画を立てる段階で目標を示すのに向いています。変動予算は、結果を振り返って費用の使い方を評価するのに向いています。どちらが正しいというより、使う場面が違います。変動予算を作るには、費用を変動費と固定費に分けておく必要があり、その分け方が粗いと評価もぶれる点に注意が必要です。

どんな会社で役に立つか

変動予算が特に役立つのは、季節や受注によって生産量や販売量が大きく変わる会社です。生産量が毎月ほとんど変わらない会社なら、固定予算との差はあまり大きくなりません。反対に、繁忙期と閑散期で生産量が2倍以上変わるような工場では、固定予算のままだと閑散期は費用を抑えたように見え、繁忙期は使いすぎに見えてしまいます。数量の変化が大きいほど、変動予算で比べ直す意味が大きくなります。なお、変動予算で比べるのは主に費用の側です。売れた数が予定より少なかったこと自体の影響は、売上の数量差異として別に分析します。

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