固定費率

企業分析
よみ:こていひりつ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「固定費率」とは

売上高に対する固定費の割合。高い会社ほど、売上の増減が利益に大きく響きやすい。

📌 投資判断のポイント

売上のうち、毎月ほぼ一定額かかる費用が占める割合。この割合が高い会社は、売上が少し動くだけで利益が大きく伸び縮みするので、景気の変わり目には特に注意して読みたい。

固定費率はどういう仕組み?

計算式は「固定費 ÷ 売上高 × 100」。固定費は家賃、正社員の人件費、設備の減価償却費、リース料など、売上が増えても減っても一定額かかる費用を指す。固定費率が高い会社は、売上が伸びると増えた売上の多くがそのまま利益になる一方、売上が落ちても費用が減らないため利益が急に縮む。この性質は営業レバレッジと呼ばれる。鉄道や通信、ホテル、半導体工場のように大きな設備をもつ業種は固定費率が高くなりやすく、仕入れ販売が中心の卸売業などは低くなりやすい。変動費率と合わせて見ると、損益分岐点の位置も見当がつく。

固定費率の具体例と注意点は?

売上高1億円で固定費が4,000万円なら固定費率は40%である。変動費率が50%とすると営業利益は1,000万円だが、売上が1割減って9,000万円になると利益は500万円と半分になる。固定費率が20%の会社と比べ、同じ売上の変化でも利益の振れ幅はずっと大きい。景気の転換点では、固定費率の高い会社の業績が先に大きく動きやすい点に注意したい。

決算書から見当をつけるには

固定費は決算書にそのまま載っていないため、外部の人は販売費及び一般管理費や減価償却費、人件費の注記などから見当をつける。数期分の売上と費用の動きを並べ、売上が減った年に費用がどれだけ減ったかを見ると、その会社の費用の重さがおおよそ分かる。

業種による違いと読み方

同じ業種の中でも、工場を自前で持つ会社と外部に製造を任せる会社では固定費率が大きく違う。自前の会社は売上が伸びたときの利益の伸びが大きく、外部に任せる会社は売上が落ちたときの守りに強い。どちらが良いというより、景気の局面によって有利不利が入れ替わると考えると、決算の数字の動きを理解しやすくなる。家計でも、毎月の固定費の割合が高いほど、収入が減ったときにやりくりが苦しくなるのは同じ理屈である。

固定費率を下げる方法としては、設備を借りる形に変える、業務の一部を外部に任せる、成果に応じて払う報酬の割合を増やす、といったものがある。ただし、固定費を変動費に置き換えると、売上が伸びたときの利益の伸びは小さくなる。売上が伸びる見込みが強いときは固定費率の高さが利益を押し上げ、見込みが弱いときは重荷になる。

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