「エリオット波動」とは
相場は上昇5波と下落3波の合計8つの波を1つの周期として繰り返す、という考え方に基づくテクニカル分析の理論。1930年代に米国のラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した。
📌 投資判断のポイント
相場は上昇5波と下落3波の8つの波で1周期を描くという理論。波の比率にはフィボナッチ比が使われるが、進行中にどの波かを数えるのは難しい。
エリオット波動はどういう仕組み?
上昇局面は、上昇の第1波、調整の第2波、最も大きく伸びやすい第3波、調整の第4波、最後の上昇の第5波の5つの波で進むとされる。その後、A・B・Cの3つの波で調整(下落)が起きる。この8波のまとまりが、より大きな周期の中の1つの波になり、小さな周期の中にもさらに細かい波が含まれるという入れ子の構造をもつ。
波の基本ルールとして、第2波は第1波の始点を下回らない、第3波は第1・3・5波のなかで最も短くはならない、第4波は第1波の高値と重ならない、の3つがよく挙げられる。
エリオット波動の具体例と注意点は?
波の長さの比率には、フィボナッチ数列に由来する61.8%や161.8%がよく使われる。たとえば第1波で1,000円から1,500円まで上がった場合、第3波は第1波の値幅500円の1.618倍の約809円伸びる、といった目安を置く。
最大の弱点は、どこが何番目の波なのかの数え方が人によって異なり、後からなら説明できても、進行中に判断するのが難しい点である。他の指標と組み合わせ、相場の位置を大まかにつかむ手がかりとして使うのが現実的だ。
ダウ理論との違い
ダウ理論も相場をトレンドの連続として捉えるが、高値と安値の切り上げ・切り下げでトレンドの継続や転換を判定することに重きを置く。エリオット波動は、波の数と比率という具体的な型を当てはめて、次にどこまで動くかを見積もろうとする点が異なる。予測の具体性が高い分、当てはめを誤ったときの外れ方も大きい。
エリオットの理論は、1938年に刊行された著書『波動原理』で体系化され、その後ロバート・プレクターらが広めたことで世界的に知られるようになった。波は相場参加者の楽観と悲観が交互に入れ替わる集団心理の表れと説明される。株式だけでなく為替や商品の相場にも当てはめられるが、どの市場でも数え方の主観性という課題は残る。使う場合は、想定した波の数え方が崩れる価格水準をあらかじめ決めておき、そこに達したら見方を改めるという規律を持つことが大切だ。
関連用語
相場の押し・戻りが止まりやすい水準を38.2%・50%・61.8%などの比率で予測する手法。多くの投資家が見るため自己実現的に効きやすい。起点の取り方に主観が入り確実ではないため損切りとセットで使う。
テクニカル分析の土台となった古典理論。高値・安値の切り上げが続く限り上昇、切り下げが続く限り下降と見る。転換サインが出るまでトレンド継続と考え、天井大底は当てないがだましに強く多くの手法の出発点。
チャート上の安値どうしや高値どうしを結んで引く斜めの線で、価格の方向と傾きの急さを見るために使う。線を引くには2点以上が必要で、3点目で接すると信頼度が高いとみなされる。引き方に唯一の正解がないため、判定の条件を自分で固定しておく必要がある。
技術革新に結びつけて語られる約50年の長波。人の一生に1、2回しか観測できず統計的裏づけは弱い。相場の解説に使われても、資産配分をこの仮説の上に組み立てるべきではない。
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