「ディキュムレーション」とは
貯めてきた資産を、老後の生活費などにあてるため計画的に取り崩していく段階のこと。資産を積み上げる「アキュムレーション(資産形成期)」と対になる言葉で、「資産の取り崩し期」とも訳される。
📌 投資判断のポイント
貯めた資産を老後の生活費などにあてるため計画的に取り崩していく段階。取り崩し始めの下落が資産寿命を大きく左右する。
ディキュムレーションはどういう仕組み?
資産形成期は、毎月一定額を積み立てて時間を味方にすれば、途中の値下がりは安く買える機会にもなる。取り崩し期はその逆で、値下がりした局面でも生活費のために売らなければならないため、同じ下落でも資産の減り方が大きくなる。とくに取り崩しを始めた直後に大きな下落に見舞われると、その後に相場が回復しても資産が元の軌道に戻りにくい。これを収益率配列のリスク(シークエンスリスク)と呼ぶ。
取り崩しの方法には、毎月決まった金額を引き出す定額取崩しと、残高の一定割合を引き出す定率取崩しがある。定額は生活設計が立てやすい一方で、下落局面でも同じ額を売るため資産の寿命が縮みやすい。定率は資産が尽きにくい一方で、受け取る金額が相場とともに変動する。
ディキュムレーションの具体例と注意点は?
金融審議会の報告書(2019年)は、高齢夫婦無職世帯の平均的な家計では、毎月の不足額が約5万円で、老後が30年続けば約2,000万円の取り崩しが必要になるという試算を示した。どれだけ取り崩せるかは、年金額、支出、運用利回り、寿命の見通しで大きく変わる。
実務では、当面1〜2年分の生活費を預金などで確保しておき、下落局面で運用資産を売らずに済むようにする方法がよく取られる。NISA口座の資産から先に取り崩すか、課税口座から取り崩すかでも手取りが変わる。
資産形成期との違い
資産形成期の中心的な問いは「いくら積み立てるか」だが、取り崩し期は「どの順番で、いくらずつ、いつまで引き出すか」に変わる。同じ資産配分でも、取り崩しながら運用するとリスクの意味が変わるため、退職の数年前から配分と引き出し方をあわせて見直したい。
退職金を受け取る時期や、公的年金の受給を繰り下げるかどうかも取り崩し計画の一部になる。年金の受給開始を遅らせる間の生活費を運用資産から取り崩せば、その後に受け取る年金額を増やせる。
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資産から毎年引き出す割合。年4%が持続可能性の目安とされるが、日本の環境や退職直後の暴落には当てはまらないこともある。取り崩し局面でも一定の株式を保有し、相場が悪い年は引き出しを控えるなど柔軟に調整することが現実的。
毎年の残高に対して決まった割合を取り崩す方法で、残高が減れば引き出す額も自動的に減るため資産が尽きにくくなります。その代わり受け取る金額が毎年変動します。
毎年決まった金額を取り崩す方法で、生活設計は立てやすい反面、相場が下がると取り崩す割合が自動的に上がって資産の減りが速まります。数年分の現金を別に持つ備えが効きます。
資産を毎年4%取り崩しても長期で尽きにくいとする経験則。必要資産は年間支出の25倍で逆算できる。米国の過去データが前提で、取り崩し初期の下落に弱いため3〜3.5%へ抑える慎重論もある。
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