ペッグ制

為替・FX
よみ:ぺっぐせい
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 金利・為替・債券を理解する ★★ 標準

「ペッグ制」とは

ペッグ制とは、自国通貨の為替レートを米ドルなど特定の通貨に固定、または狭い範囲に連動させる為替制度です。ペッグは杭(くい)のことで、通貨を別の通貨に杭で留めるイメージから、この名前で呼ばれます。

📌 投資判断のポイント

自国通貨の為替レートを米ドルなど特定の通貨に固定または連動させる制度。香港ドルは1米ドル7.75〜7.85香港ドルの範囲に保たれている。

ペッグ制はどういう仕組み?

中央銀行や通貨当局は、決めたレートを守るために、外貨準備を使って自国通貨の売買を行います。自国通貨が売られてレートが下限に近づけば、ドルを売って自国通貨を買い支えます。香港ドルは1983年から米ドルにペッグしており、2005年以降は1米ドル7.75〜7.85香港ドルの範囲に保たれています。サウジアラビアのリヤルも1米ドル3.75リヤルに固定されています。

ペッグ制の具体例と注意点は?

ペッグ制は為替の変動が小さくなるため、貿易や投資の見通しが立てやすく、物価の安定にもつながります。その代わり、金融政策はペッグ先の国に合わせる必要があり、米国が利上げすれば自国の景気が弱くても金利を上げざるを得ません。外貨準備が不足すると維持できなくなり、1997年のアジア通貨危機ではタイがドルとの事実上のペッグを放棄し、バーツが急落しました。

変動相場制・通貨バスケット制との違い

変動相場制は、為替レートを市場の需給に任せる制度で、日本や米国が採用しています。通貨バスケット制は、1つの通貨ではなく複数の通貨を組み合わせた加重平均に連動させる方式で、特定の国の政策の影響を分散できます。ペッグ制はその中で最も固定の度合いが強い制度です。

ペッグ制の国の通貨や資産に投資するとき

ペッグ制の通貨は、平時は値動きが小さく、ドル建ての資産とほぼ同じように扱えます。たとえば香港の株式や債券に投資すると、円からみた為替の影響は、実質的に円と米ドルの間の変動とほぼ同じになります。ただし、ペッグ制は当局の判断で変更や停止がありえます。2015年1月には、スイス国立銀行が1ユーロ=1.20スイスフランを下回らないよう維持してきた為替の下限を突然撤廃し、スイスフランは一時、対ユーロで30%以上値上がりしました。ペッグに近い制度でも、維持の約束が外れると短時間で大きく動く例です。ペッグ制の国の資産に投資する場合は、外貨準備の水準や経常収支、ペッグ先の国との金利差など、制度を維持できるかを見る指標にも目を配ります。外貨準備が輸入の3か月分を下回ると、通貨防衛の余力が乏しいとみなされることがあります。

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