固変分解

企業分析
よみ:こへんぶんかい
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「固変分解」とは

会社の費用を、売上に比例して増減する変動費と、売上にかかわらず一定額かかる固定費に分けること。損益分岐点を求める前提になる。

📌 投資判断のポイント

費用を売上に連動する部分と一定額の部分に分け直す作業。損益分岐点や、売上が減ったときの利益の落ち方を計算する前提になるが、外から行う分解は目安にとどまる。

固変分解はどういう仕組み?

損益計算書の費用は売上原価や販売費及び一般管理費といった区分で並んでいるが、売上が増えたとき費用がどれだけ増えるかは、そのままでは分からない。そこで費用を変動費と固定費に分け直すのが固変分解である。主な方法は二つあり、勘定科目法は材料費や外注費は変動費、家賃や正社員の給与は固定費というように科目ごとに振り分ける。もう一つは過去数期の売上と総費用の関係から、直線を当てはめて変動費率と固定費を推計する方法(高低点法や最小二乗法)。分けた結果を使えば、売上から変動費を引いた限界利益、利益がゼロになる損益分岐点売上高、売上が1割減ったときの利益の減り方などを計算できる。

固変分解の具体例と注意点は?

売上高1億円、費用9,000万円のうち変動費が5,000万円、固定費が4,000万円なら、変動費率は50%、損益分岐点売上高は8,000万円になる。注意したいのは、実際の費用には電気代や残業代のように両方の性質をもつ準変動費が多いことである。どちらに入れるかで損益分岐点が変わるため、外部の人が決算書から行う固変分解はあくまで目安と考えたい。

家計に当てはめると

家計でも同じ分け方ができる。家賃や保険料、通信費のように毎月ほぼ同じ額が出ていくものが固定費、食費や日用品のように使い方で変わるものが変動費にあたる。収入が減ったときにまず見直しやすいのは変動費だが、効果が長く続くのは固定費の見直しである。

経営の判断にどう使うか

固変分解をしておくと、新しい商品を値下げして売るべきか、注文を引き受けるべきかといった判断がしやすくなる。固定費はすでに決まっているので、追加の注文が変動費を上回る値段で売れるなら、利益は増える。ただし、値下げが続けば固定費をまかなえなくなるため、短期の判断と長期の判断は分けて考える必要がある。

決算書の外部の読み手が簡易に試すなら、過去2期の売上と費用の差から変動費率を出す高低点法が手軽である。例えば売上が1億円から1億2,000万円に増え、費用が9,000万円から1億円に増えたなら、変動費率は50%、固定費は4,000万円と推計できる。

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