「雇用者報酬」とは
国全体で働く人が受け取った報酬の総額を示す、内閣府の国民経済計算に含まれる指標。個々の賃金水準ではなく、家計に入る労働所得の全体像を表す。
📌 投資判断のポイント
国全体で働く人が受け取った報酬の総額で、賃金・俸給と雇主の社会負担から成ります。雇用者数の増減も反映されるため、実質賃金がマイナスでも増えることがあります。
詳しい仕組み・意味
雇用者報酬は、GDP統計である国民経済計算の分配面に位置する系列で、賃金・俸給と、雇主の社会負担の二つから成る。賃金・俸給には基本給や賞与のほか現物給与が含まれ、雇主の社会負担には企業が負担する社会保険料などが含まれる。四半期ごとに名目値と実質値が公表され、実質値は物価上昇分を差し引いたものである。1人あたりの賃金を見る毎月勤労統計と違い、雇用者数の増減も反映されるため、賃金が伸び悩んでも働く人が増えれば雇用者報酬は増える。家計の購買力の総量を測るうえで、消費の先行きを考える手がかりになる。
具体例・注意点
実質賃金がマイナスでも実質雇用者報酬がプラスという状況は起こりうる。1人あたりが目減りしても、働く人の数が増えれば全体では増えるためである。この差は、家計の体感と統計の印象がずれる代表的な原因になる。逆に、雇用者報酬が伸びていても内訳が短時間労働の増加によるものなら、1世帯あたりの所得改善とは限らない。GDP統計は速報から確報にかけて改定幅が大きいことがあるため、単月ではなく数四半期の傾向で読むほうが安全である。労働分配率の計算にも用いられる。家計の実感に近づけたいなら、世帯あたりや1人あたりに直した系列を併せて見るとよい。
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